巨大企業の「誓約」
GAFAMと呼ばれる巨大IT企業の一角であるアマゾンは2040年までに事業による二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを約束する「The Climate Pledge」(気候変動対策に関する誓約)を2019年に共同で立ち上げている。
リヴィアンはこの誓約に最初に署名した一社だ。
誓約の達成のためには持続可能な配送網の構築が不可欠で、アマゾンとリヴィアンは共同でラストマイル輸送の脱炭素化を加速している、また、他社がネット・ゼロを実現するのを手助けするようなイノベーションにも取り組む。
計画通りに10万台のカスタムEDVが走り出せば、アマゾンの事業による二酸化炭素排出量は、年間で数百万トン削減されるとした。
アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは次のように話している。
「気候変動の影響と戦うためには、常にイノベーションと行動が必要です。環境への影響を最小化する新しい方法を模索するために、その情熱を共有する企業とパートナーを組んでいます。
リヴィアンはこのミッションにおける素晴らしいパートナーであり、初めてのBEV配送トラックが走り出したことを嬉しく思っています。アマゾンは誓約の達成のために『Climate Pledge基金』を設立しましたが、最初の出資先の一つがリヴィアン社でした。
2030年までにリヴィアンの車両を10万台導入するという計画は、まだ始まったばかりです。
この車両は持続可能性に加えてドライバーにとっても素晴らしいものになっています。配送ドライバーの声を取り入れて、常にそのフィードバックを反映して設計しました。今日の道路上で最も安全で、最も快適な配送トラックです」。
いっぽう、リヴィアンのRJ・スカリンジCEOのコメントは以下の通りだ。
「アマゾンとリヴィアンのパートナーシップにとって、そして運送業界と地球環境にとって、今日は重要な日となります。
2019年に私たちは二酸化炭素の排出量を大幅に低減することになる新しい配送トラックを迅速に開発することをお約束しました。私たちのチームの献身的な努力と協調、そして子供の子供の世代により良い世界を残すという共通目標のおかげで、このビジョンは今、実現されつつあります。
このパートナーシップによってロジスティクスと運送業の脱炭素化プロジェクトが大きく進展することを、大変嬉しく思っています」。
撤退した三菱自動車の工場で製造
アマゾンはリヴィアンが先行生産した車両による試験配送を2021年から初めており、配達個数は43万個、走行距離は9万マイル(約14万km)に達している。
この試験配送を通じてリヴィアンは車両の性能、安全性、様々な気候と地形における耐久性、ドライバー満足度を高めるための最新装備、全体の機能性など、改善を続けてきた。
もちろん、NHTSA/米国運輸省道路交通安全局(貨物輸送などを所管する)、CARB/カリフォルニア大気資源局(排ガス規制などを定めている)、US-EPA/米国環境保護庁の認証も取得した。
アマゾン用のカスタムEDVは、リヴィアンのイリノイ工場で製造する。
同工場は三菱自動車が「アウトランダースポーツ」(日本名「RVR」)の製造を行なっていた工場で、三菱自動車が米国内での製造から撤退するのに伴い、リヴィアンが破格で購入したものだ(1600万ドル/2017年当時のレートで約18億円)。
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