「ドライバー不足によりモノが運べなくなる」という社会課題の解決を目指し、日野自動車が設立した物流企業、NEXT Logistics Japanと三菱UFJ銀行がパートナー契約を締結。
NLJのパートナー企業はこれで総勢20社となった。メガバンクの顧客基盤や金融サービスを活用し物流の価値を向上するとともに、各社の知見や技術、ノウハウを融合することで、ドライバー不足や脱炭素化といった課題に取り組んで行く。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部・日野自動車
メガバンクがNLJのパートナーに
この度、株式会社三菱UFJ銀行と日野自動車の子会社であるNEXT Logistics Japan株式会社(以下、NLJ)は、ドライバー不足解消や脱炭素化などの物流業界の課題解決を目的とした出資・パートナー契約を締結したと発表した。
物流業界では、少子高齢化や、ドライバーの時間外労働時間の上限規制が厳しくなる「2024年問題」などに起因した「モノが運べなくなる」社会が着々と近づいてきている。
こうした状況下でも安定した輸送スキームの提供とCO2排出量削減による環境課題の解決が求められている。
その実現に向けて、「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング/サービス、電動化)と総称される安全・快適で利便性の高い次世代モビリティ技術の進化と、それに伴う自動運転技術や大型トラック等の電動車両の活用により、物流の効率化・省人化、CO2低減が加速すると見込まれている。
今回のパートナー契約により、両社は社会課題の解決に取り組み、物流と金融の事業価値向上を目指す。
目指すのは「運送人員1/6」「CO2排出量ゼロ」
NLJは「新しい物流の形」を提案する会社として、2018年に日野自動車が設立した物流企業。業種・業態の壁を越えたパートナー企業とともに、各社の専門的な知見・技術を活用し、社会課題の解決に向けた高効率輸送スキームの構築を進めている。
具体的な取り組みは次のようなものだ。
■効率化・省人化
業種・業態を超えた多様な荷物を混載し高効率輸送、また自動運転技術を活用した輸送人員の省人化を実現
■CO2排出量低減
各社の荷物を束ねてより少ない車両で運び、且つ最先端技術の車両を活用することで環境負荷を低減
■物流業界の価値向上
先進技術の活用や新たなサービスの企画開発等により付加価値を創出し、物流業界の発展に貢献
NLJは2019年12月の事業開始から2年で幹線輸送の省人化・効率化により、従来比で運送人員を1/2に、CO2排出量の28%削減を実現している。
これまでのパートナー企業は、アサヒグループジャパン、江崎グリコ、ギオン、キユーソー流通システム、鴻池運輸、澁澤倉庫、鈴与、住友ゴム、摂津倉庫、千代田運輸、トランコム、ニチレイロジグループ、日清食品ホールディングス、日本梱包運輸倉庫、日本製紙物流、日野自動車、ブリヂストン、三菱HCキャピタル、ユーネットランスの19社。
今回の提携で三菱UFJ銀行が加わったことで、パートナーは20社となった。メガバンクの有する幅広い顧客基盤・ネットワーク、高度な金融サービスを始めとした各種知見・ノウハウを活用することで「物流業界の価値向上」の実現に取り組む。
三菱UFJ銀行とNLJは、想いを一つにするパートナー各社と共に知見・技術を集結させ、「ドライバー不足によりモノが運べなくなる」という社会課題の解決と事業価値向上に向けた取り組みを促進する。
総勢20社となったパートナー各社が持つそれぞれの知見・ノウハウを融合し幹線~支線をトータルでコントロールして輸送することで、「運送人員1/6」と「CO2排出量ゼロ」を目指す。
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