■用途によってBEVとFCVの使い分けるダイムラートラックの提案
![eアクトロス・ロングホールはGenH2と同じクラスのセミトラクタながら、大量のバッテリーを搭載して500kmの航続距離を確保。休憩中の急速充電で行程を伸ばせるので充分実用的という。なお、ダイムラーは各物流拠点に充電設備を設置することで比較的低コストでネットワークが整備可能としている](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2021/10/01175822/04_20C0457_01-600x400.jpg)
燃料電池自動車が車両の動力源に電動機を用いるのはバッテリー電気自動車(BEV)と同じだが、現在の技術ではバッテリーのエネルギー密度が低く重量がかさむため、燃料電池電気自動車(FCV)のほうが多くのエネルギー搭載が可能で航続距離が稼ぎやすい。
とりわけ大型トラックのように総重量が大きい車両で一定以上の航続距離を確保しようとすると、BEVでは大量のバッテリーによる減トンが不可避的となるが、FCVは従来車並みの積載量確保が可能。
これがトラックを電動化にあたって小型車や航続距離が短い車両はBEV、大型車や長い航続距離が必要な車両はFCV、という住み分けの理由になっている。
今回ダイムラートラックAGがFCVのGenH2とともにBEVの「eアクトロス・ロングホール」と「eアクトロス」を発表したのは、こうした条件に基づく使い分けの提案だ。
![実用供試を経ていよいよ登場したeアクトロスの市販モデル。航続距離はコンセプトモデルの100kmに対して倍の200kmに伸びた。ちなみに今秋発売予定の量産モデルでは大容量バッテリーと高性能モーターの組み合わせで航続距離400kmを実現している](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2021/10/01175827/05_20C0486_001-600x400.jpg)
eアクトロス・ロングホールはGenH2と同じクラスのセミトラクタに最新の高性能バッテリーを大量に搭載したもので、航続距離は約500kmを確保。計画されたルートでの運行ではドライバーの休憩時間に急速充電を行なうことで行程を伸ばすことも可能だ。
いっぽう、eアクトロスは近距離・地場用の大型BEVトラック。ベースはIAA国際商用車ショー2016で披露されたコンセプト「アーバンeトラック」で、航続距離は200km以上を確保。2軸または3軸の単車で従来型アクトロスと同等の積載量を確保するという。
【画像ギャラリー】ディーゼル並みの長距離運用!? 2025年以降の量産を計画するダイムラーのコンセプトモデル「GenH2」
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