塵芥車とバキュームカー(衛生車とも呼ばれる)は、ともに家庭や事業所などから排出されるゴミや排泄物を処理場に運搬するクルマ。我々の生活になくてはならない存在だが、その特性上、どうしても汚い、臭いといったネガティブなイメージが付きまとう。
塵芥車やバキュームカーの汚れや、臭いは、作業従事者はもとより、近隣住民の負担にもなる。そこでメーカーもいろいろ考えました。
というわけで今回は、架装メーカーが塵芥車やバキュームカーのネガティブなイメージを払拭するべく発想の転換で開発した3つのアイデア製品を紹介します。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
【画像ギャラリー】漂う良い香りに振り返る日が来るかも!? 塵芥車&衛生車のネガティブイメージを払拭するアイデア製品!!
■「覆い隠す」から「魅せる」のイメージに発想転換 モリタエコノスのエコパネル式バキュームカー「EP-2」
モリタエコノスは消防はしご車で有名なモリタグループの特装車メーカー。塵芥車、強力吸引車、高圧洗浄車など環境保全を行なう特装車を幅広くラインナップしており、バキュームカーでは国内トップシェアを誇る。
同社が2010年に発売したエコパネル式バキュームカー「EP-2」は、バキュームカーの楕円形タンクを四角いパネルボディで囲い、そのイメージを一新した画期的な車両だ。
もともと同社では、「エコパネル車」や「アルミパネル車」といった、パネル式のバキュームカーを製造していたが、EP-2はこれら従来車両のタンクを「覆い隠す」イメージから脱却。新たに「魅せる」イメージを表現するという発想転換を行なっている。
具体的には、従来車両がフラットパネルで楕円形タンクを覆っていたのに対し、EP-2は丸みを持たせた有機的なデザインのパネルを採用。サイドバンパー~リアバンパーを一体化したアンダーパネルとともにスタイリッシュなデザインをもたらす。
作業性にも配慮し、後部に操作パネル、LED作業看板、ホースなどを集中配置。サイドパネルとサイドバンパーは跳ね上げ式とし、メンテナンス性も良好だ。
ちなみにEP-2のロゴは食部の新芽をモチーフに、ピュアでバイタリティあふれるイメージを表現したもの。約20種類の基本デザインが用意されており、色・字体などをユーザーの好みでアレンジすることも可能だ。