■バキュームカーの糞便臭が甘い香りに変化!? 東邦車輌の「デオマジックVC1オイル」
東邦車輛は新明和工業グループの特装車メーカー。主力製品はトレーラだが、タンクローリ、バキュームカー、吸引車などの特装車も幅広くラインナップしており、バキュームカーでは「吸の東邦」を謳う。
同社が2016年にシキボウ、凸版印刷、山本香料と共同開発した「デオマジックVC1オイル」は、バキュームカーの糞便臭を甘い香りに変えることができるという画期的な潤滑油だ。
ベースとなっているのは、シキボウと山本香料が2011年に開発した消臭技術「デオマジック」。同製品は、本来香水など芳香品に少量含まれる不快臭を発する成分をなくしておき、糞便臭を加えることで本来の甘い匂いが出せるようにしたもので、畜産業界向けに実用化されていた。
これをバキュームカーの臭気対策に活用したのがデオマジックVC1オイルだ。使い方は簡単で、バキュームカーの真空ポンプの潤滑油を同製品に入れ替えるだけ。あとは真空ポンプや配管を通じてデオマジックがバキュームカー内を循環し、不快な臭いを甘い香りに変化させてくれる。
その実力は、全国のバキュームカーユーザー数10社のモニター試験でほぼすべての事業者が「排気から糞便臭を感じなくなった」と回答していることからも、かなりのものと思われる。ポンプオイルを定期的に交換するだけで効果が得られる手軽さも魅力といえそうだ。
■塵芥車の生ゴミ臭がフルーティな香りに変化! 新明和工業の「デオマジック 香り de まじっく」
新明和工業は輸送機器、産業機器の製造を行なう大手メーカー。特装車部門はダンプ、塵芥車、脱着ボディ車などを幅広くラインナップしており、塵芥車では国内トップシェアを誇る。
同社が2017年に発売した塵芥車用臭気対策剤「デオマジック 香り de まじっく」は、東邦車輛のデオマジックVC1オイルの塵芥車バージョンで、デオマジックシリーズの第二弾。こちらは生ゴミの臭いをフルーティな香りに変化させるというものだ。
生ゴミの臭いは、内容や気温により変化することから、同社では実際の収集現場に足を運んだりして臭いを検証。さらに事業者やドライバーにもアンケートを行ない、もっとも効果が得られる配合比率に調整しているという。
ラインナップはハンドスプレータイプのほか、塵芥車のテールゲート部に取り付ける専用の噴霧装置も設定。この噴霧装置にはおよそ1日分相当の容量を入れることができるタンクが備わり、新車販売時にオプション設定されるほか、既存車両への後付も可能だ。