ダイムラー・トラック、水素燃料電池のコンセプトモデルを発表
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併せて長距離用の電気トラック「eアクトロスロングホール」もお披露目
ダイムラー・トラックAGは昨日、電動化に向けた技術戦略を発表。メルセデス・ベンツ燃料電池トラックのコンセプトモデル「GenH2」を世界初披露した。
ダイムラー・トラックは現在、運行ルートが決まっていない長距離運送業務を燃料電池式大型トラックで遂行する技術に取り組んでいるが、1つの水素タンクで1000km以上の航続距離を実現するこの「GenH2」トラックを通じて、その具体的な技術力を初めて示したことになる。「GenH2」は、2023年には顧客によるトラックの実用供試を開始し、2020年代後半に量産を開始する予定。水素ガスではなくエネルギー密度がより高い液体水素を利用することにより、トラックのパフォーマンスは従来の同等クラスのディーゼルトラックに匹敵するものになる見込みである。
また同日、電気長距離仕様トラックのメルセデス・ベンツ「eアクトロスロングホール」も初披露した。
これは特定のルートを走行する定期便を最も高いエネルギー効率で行なうことを想定し設計したトラックで、1回の充電で約500kmの航続距離を実現。この長距離仕様の「eアクトロスロングホール」については2024年に量産準備が完了する予定だという。いっぽう、都市配送向けの電気大型トラックであるメルセデス・ベンツ の「eアクトロス」は、2018年に発表されて以来、顧客による日々の試験運用が実施されているが、ダイムラー・トラックは同車の量産を来年より開始する予定だという。「eアクトロス」量産タイプは、1回の充電での航続距離がプロトタイプ時の約200kmを大幅に上回る見込みになっている。
ダイムラー・トラックでは、北米市場と日本市場でも欧州と同様の車両投入スケジュールを予定しているという。2022年までに、ダイムラー・トラックの主要販売地域である欧州、米国、日本において、商品ポートフォリオにバッテリー式電動車両の量産型を含める計画を立てている。同社はまた、欧州、北米、日本において、2039年までに新車ラインアップはすべて走行中(タンクから車輪まで)にカーボンニュートラルを実現する車両のみで構成するという野心的な計画も掲げている。
左より「eアクトロス」、「eアクトロスロングホール」「GenH2」
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