いすゞ自動車は、3月27日~4月2日までタイのバンコクで開催される「バンコク国際モーターショー」でいすゞ初の1トン積みピックアップトラック「D-MAX」のバッテリーEV(BEV)を一般向けに世界初公開する。
「D-MAX」BEVは、2025年に欧州へ先行導入、豪州・タイなど他エリアにも順次展開するいすゞの世界戦略車となる。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真・デザインスケッチ/いすゞ自動車
いすゞピックアップトラックの生産・輸出拠点のタイで発表
「バンコク国際モーターショー」が開かれるタイは、いすゞグループにおけるピックアップトラックのマザー工場として知られ、世界100を超える国・地域に年間30万~40万台の規模でいすゞ車を供給している。
タイは日本車全盛の親日国で、ピックアップトラックにおいてもいすゞのピックアップトラックがトヨタハイラックスと人気を二分するほどの高いシェアを誇っている。
ただ最近は、バンコクなど都市部の大気汚染が深刻化していることから、タイ政府は積極的にEVシフトを推進。EV補助金など購入に対するさまざまな支援策を打ち出している。
これを背景に安価な中国製BEVが爆発的にシェアを伸ばしており、東南アジア随一の日本車王国もうかうかしてはいられない状況になっている。
そんな中、今回の「バンコク国際モーターショー」における「D-MAX」BEVの世界初公開は、まさに満を持しての登場というわけだ。
「D-MAX」BEVの車両概要と世界展開
「D-MAX」BEVは、ピックアップトラックのタフな基本性能はそのままに、商用・乗用の幅広いニーズに対応できるよう開発。
新開発のeアクスルをフロントとリアに搭載したフルタイム4WDシステムにより、高い悪路走破性およびBEV特有のリニアな加速感と、低騒音・低振動を両立させた。
また、既存のディーゼルエンジンモデルと同等の使い方もできるよう、高出力を発揮する電気モーターの採用や、堅牢なフレームとボディの設計により高い牽引能力を確保している。
いすゞは、ピックアップトラックが多様な用途でユーザーに使われていることを念頭に、動力源の選択肢の一つとしてD-MAXのBEVの開発を進めている。
2025年にノルウェーをはじめとする欧州の一部から販売を開始し、今後、英国や豪州・タイなど他のエリアについても、各国・地域のクルマの使われ方やインフラの整備状況などを踏まえて、ユーザーと丁寧なコミュニケーションを行ない、ニーズに応じて展開・拡大していくとしている。
いすゞグループは、世界のカーボンニュートラル(CN)社会の実現に向けて積極的に挑戦し、市場投入を見据えたCN車両の開発を強力に進めていく方針だ。
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