■燃えます(萌えます?)パンク修理
パンク修理についてもちょっとふれましょうか。パンク修理にもいろいろあって、まずは超簡単に直せる打ち込み修理という方法があります。釘などの小さな傷に限りますが、これはパンク修理専用のゴム紐を穴に打ち込むだけの簡単なものです。ただし、あくまでも応急修理なので早めのタイヤ交換をお勧めします。
次に、内面修理。これは読んで字のごとく、タイヤの内面から修理する方法で、ゴム紐ではなくパッチというゴムのシートを傷に貼り付けます。中型車や大型車はこの方法ですね。それと、同じ内面修理でもキノコ型の修理剤で修理する方法もあります。これはボルトなどの太いものを踏んだ時に、キノコ型の修理剤を傷穴に入れて防ぐ方法です。穴があまりに大き過ぎると修理できない場合もありますけどね。
それとパンク修理に行った時、驚くようなモノがタイヤに刺さっていることがあります。釘やボルトなどは普通ですが、驚いたのは、石や家の鍵、車載工具のドライバープライヤー、それからハサミの片側だけっていうのもありました。ホント道路にはいろんな物が落ちていますから、みなさんも気を付けて下さいね。
最後にタイヤ屋泣かせの車両といえば、16輪などの重トレーラです。これも外側は楽チンなんですが、内側が大変。タイヤとタイヤの隙間に入り込んで、もしくはタイヤハウスに寝転んで、中型車用のインパクトレンで外すのですが、ナットが見えないのと、片手でインパクトを使わないとダメなので、あっという間に握力がなくなります。ナットが外れたら、次は力任せに引っ張り出すんですが、これだけでもうヘトヘトになります。
でも、私の場合、ややこしい作業のほうが燃える(萌える?)ので、ベリー・タイヤードなタイヤ屋稼業は案外、天職なのかもしれません。
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ところで、矢板さんにタイヤレスキューの現場の実状を報告してもらったのは10年前のこと。現在の高速道路上でのタイヤレスキューはどうなっているんでしょう? そこで今度はタイヤメーカー系列のタイヤ屋さんであるハマダユキオさんに聞いてみました。
「高速道路でのレスキュー作業ですが、やはり我々のルールでは、NEXCOさんに連絡をしてNEXCOの人が誘導をしたりパイロンを置いたり、電光表示で『故障車』の情報を提供してもらいますね。
NEXCOの人が忙しい時もあり、パイロンだけ置いて違う現場に行かれることも想定し、2人で出動することが多いです。
やはり安全対策は近年厳しくなり、自分たちの安全確保はもちろん、事故を誘発してはならない責任もあります。そんなこんなで現在は安全対策を二重三重にして作業を実施しています」。
高速道路上でのタイヤレスキューは、しっかり安全を確保した上で正しい手順で作業をするが望ましい。ただ、緊急を要する場合や顧客からの要請を断りにくいケースもあり、まだ危険と隣り合わせという実状も残っているようです。せめてトラックドライバーさんは、可能な限り広い場所やパーキングエリアなどに移動し、少しでも安全を確保してほしいと思います。
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