次期ギガ/クオンはレベル4自動運転機能を搭載か
トラック製品共通化の真打が、GVW20~25tクラスの大型トラック「ギガ」「クオン」の次期モデルだ。
次期ギガ/クオンは、2020年から戦略的な提携関係にあるボルボグループの技術を活用したモデルとなる。これは前の中期経営計画(2021~2023年度)で示されていたことだが、今回の『IX』で、デビュー時期が2025年から2028年へと3年先延ばしになった。南社長COOは「他のプロジェクトを先行させるため」とその理由を述べている。「他のプロジェクト」が何かまでの言及はなかったが、筆者が憶測するに、それは「自動運転」だと思う。
『IX』では、トラック・バスの自動運転に関わる「新事業」をスタートさせる方針が明らかにされた。新事業の具体的内容は不明だが、「自動車メーカーの立場で『物流の2024年問題』に取り組めること」として自動運転技術を実用化し、併せてそれに関するビジネスを2027年度に立ち上げる計画となっている。
つまり次期ギガ/クオンのデビューと、自動運転関連ビジネスを立ち上げるタイミングが接近しているのだ。そこで、次期ギガ/クオンには自動運転機能を実装したモデルがあり、それを推進するためのビジネスも同時にローンチするのではないか……という推測ができるわけである。
『IX』説明会では、トラックの自動運転は「高速道路を拠点間運行するトラック」を主な対象とし、SAE自動運転レベル4、すなわち「特定条件下における完全自動運転」の実用化を目指すとしている。
以前からいすゞ、UDは、それぞれレベル4自動運転技術の開発に取り組んできた。特に元・ボルボグループ傘下だったUDは、ボルボの基盤技術を用いながら、国内で2030年の実用化を目指して開発を続けてきた経緯がある。そのため、ボルボ技術を活用する次期ギガ/クオンがその延長線上にあっても、なんら不自然ではないだろう。
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