躍動する日本車王国 インドネシア・トラック紀行 その6
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コラム
オレンジ色の憎いヤツ バジャイは風前の灯?
ジャカルタのワースト乗り物「3B」の一角を占めるオート三輪タクシー「バジャイ」には、ブルーのバジャイとオレンジのバジャイがあります。オート三輪タクシーといえば、タイのトゥクトゥクが知られていますが、トゥクトゥクのほうがホイールベースが長いし、ずっと乗りやすそう。それに比べてちょっと貧相なバジャイ(失礼)は、「あれ? どっかで見たような……」と思っていたら、インドから輸入されているんだそうです。そういえばブルーのバジャイは、インド・チェンナイで見たオートリキシャーと同じで、ちらほらCNG車もまじっているところまで一緒でした。インドのオートリキシャーの最大のメーカーはバジャージだったと思いますが、バジャイの呼び名もたぶんそこから来ているんでしょうね。
いっぽうオレンジのバジャイは、ブルーより明らかに古く、今にも逆ウイリー走行しそうな前つんのめりスタイルは、かなり強烈な印象です。インドでも見かけなかったけど、相当古いんじゃないかな~? バーハンドルだし、乗客も忍耐を強いられそうだな~。
ジャカルタ当局は、バジャイの全面的なCNG化を打ち出しており、特に年式が古く、排ガスも騒音もバッドなオレンジ色のバジャイは、「退場」を命じられているんだとか。それに対して、バジャイの運転手は猛烈に反発しているようですが、ジャカルタの大気汚染は深刻なので、締め出しは時間の問題かもしれません。かつて、三輪自転車タクシーの「ベチャ」が交通の妨げになるとして禁止されたジャカルタですが、名物のオレンジ色のバジャイもその道を辿ることになりそうです。ちょっと寂しいことではありますが、ジャカルタの交通事情・や環境は一刻の猶予も許さないほど深刻な状況です、仕方のなことかもしれませんね。
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