今日の首都圏は時ならぬ雪の朝でちょっと驚きましたが、春が足踏みをしているのなら、こちらから春を見つけてやろうと、昨日は鎌倉に散策に行ってきました。横須賀線の北鎌倉の駅で下りて、いつもの定番コースの一番目、鎌倉五山の第四位である淨智寺へ……。決して大きくはありませんが、風情のあるお寺で、いわゆる「花の寺」です。
淨智寺の山門
横浜ではもう散ってしまったロウバイがちょうど見頃で、いい香りを漂わせていました。ロウバイが咲いているのに、日だまりにはスミレも咲いていて、なかなか春の懐の深い花の寺でした。
ふくいくと香るロウバイの花
スミレの花 咲くころ
やさしいお顔にほっこり
この淨智寺の脇の小径は、葛原岡神社を経て源氏山公園に至る、散策にはもってこいの静かなコースなんですが、今の時期、突然「カキュキュキュキュ!」とおかしな鳴き声が響き渡ります。はじめは鳥の鳴き声かと思いましたが、そうじゃないんですね、繁殖期を迎えたリスの鳴き声なんです。昨日は、ちょうどリスの婚活シーズン真っ只中だったのか、至るところでこの鳴き声を耳にしました。
特に淨智寺脇の小径の近辺では、リス達が追っかけっこを繰り広げていて、7、8匹いたでしょうか、まるでモグラ叩きのモグラのように、あっちで顔を見せて引っ込んだと思ったら、こっちで顔を見せるという具合で、なかなか可愛い。ただ、このリスは外来の台湾リスが繁殖したもので、鎌倉や江ノ島では、電線をかじるなどの被害も出ているので、可愛いからといって観光客がエサを与えるのはNGでしょうね。
葛原岡神社の椿
鎌倉のピクニックコースの定番である源氏山公園でお昼にしました。横浜のデパ地下で買い求めた弁当でも、春らしいうららかな日差しの中で食べれば、また格別。ただし、源氏山公園では「盗っ人」に要注意です。昨日も見晴らしの良いベンチに座り、テーブルに弁当を広げようとしたら、怪しい影が……。そうなんです、ここはトンビが上空から急降下して弁当をかっさらう悪名高きスポットなんです。実際、上空で輪を描くトンビがどんどん増えてきたので、林の中に退散し、あらためて昼食となりました。
源氏山公園からは「銭洗い弁天」も近いんですが、今日は却下。化粧坂(けわいざか)の切り通しを下りて反対方面の扇ガ谷(おうぎがやつ)へ。ちなみに化粧坂がなぜ化粧坂と呼ばれるようになったのか諸説あるのですが、一番新しい説は、「昔々、空気を読めない人間が通っていたから…」というものらしいです。「KY坂」なんちゃって!(つまらねェ)。
化粧坂は一部凍結していました
扇ガ谷の最奥には、私が鎌倉で最も好きなお寺の1つである海蔵寺があります。
「十六の井」や「底抜けの井」でも知られる海蔵寺
初めて訪れたのは高校生の頃でしたが、当時の境内は砂地に芝生だったと思います。何となく海に近いことを感じさせる明るいお寺で、庭には数匹のネコが遊んでいて、それを縁側に腰掛けながら眺めていると、時間が経つのを忘れてしまうほど……。以来、海蔵寺には1年で2回か3回は来ているのですが、いつ来ても和んじゃいますね。ちなみに庭の手入れも行き届き、いつも花に溢れているんですが、拝観料は無料です。鎌倉には観光バスが乗りつける有名な寺がたくさんありますが、やっぱり海蔵寺のようなお寺が好きだし贔屓にしちゃいますね。
花が開いて叢になってしまった福寿草
海蔵寺の梅はまだまだ見頃でした
昨日はその後、二階堂まで足を伸ばし、杉本寺や報国寺、瑞泉寺などを巡ってきましたが、鎌倉は早春が似合う古都だと感じました。〈キャップ〉
鎌倉最古の杉本寺のすり減って苔むした階段
竹の寺として知られる報国寺
報国寺のサンシュユの花
瑞泉寺のやぐら〈鎌倉時代の横穴墳墓〉と石庭
マンサクの花
ミツマタの花は、浄智寺では盛りを過ぎ、海蔵寺ではまだ蕾が固く、この瑞泉寺がちょうど見頃でした
鶴岡八幡宮の一輪の白梅
鎌倉宮の河津桜 物おじしないメジロが盛んに蜜を吸っていました