自動運転機能を搭載した大型トラックによる国内初の商用運行が7月1日、スタートした。自動運転トラックの開発・実証および一般貨物輸送を手掛けるT2(本社東京都、森本成城CEO)が、国内物流企業5社をクライアントとして継続的に行なうもので、最初の運行を翌2日に実施した。同社では、2027年秋に特定条件下での無人トラック幹線輸送を目指していく。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/T2、三井倉庫ロジスティクス、フルロード編集部
実証運行から本格的な商用運行へ
T2は2022年、トラック自動運転技術の開発とともに、自動運転トラックによる幹線輸送ビジネスの実現を目的として、三井物産とAI技術開発企業プリファードネットワークス社(PFN)の出資により設立(現在は国内外15社が出資)された企業だ。
開発を進めているトラック自動運転技術は、高速道路など特定条件での完全自動運転を可能とする「SAE運転自動化レベル4」に対応するシステム。現在これを大型トラックに搭載、ドライバーを運転の主体とする同レベル2相当の運転支援機能としながら、レベル4実現で必要な各種技術を、さまざまなケースの実証運行を通じて検証している。
※SAE:米国自動車技術会
この取り組みの一部を、7月から商用運行へとステップアップする。これまでの実証運行の成績により、通常のトラック幹線輸送と同等の輸送品質を担保できることが確認されたからだ。
商用運行では、ドライバーのみのワンマン運行(実証運行では開発エンジニアが同乗)とし、運転モード(自動/手動)の切換操作もドライバー自身で行なう。運行回数は週5回程度(現在は1回)で、1日当たりの運行本数も4回以上を目指すなど、自動運転機能をより本格的な営業運行の環境下に組み込む。
ドライバーは通常運行と同様、運行時間内に休憩(4時間運行のうち30分)を取ることになっており、『自動運転時のドライバー疲労』についても対策を行なっているという。目標であるレベル4実現時では、一般道などを有人の手動運転、高速道路の一部など特定区間を無人の自動運転とする形が考えられており、今回の商用運行を通じて、無人モードでの休憩時間がない運行オペレーションのあり方も探っていく。
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