トラックドライバーにとって「駐車」は頭の痛い問題である。特に車体の大きい大型トラック/トレーラは駐車できる場所が少なく、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の駐車マスはいつも満杯だ。
そんな中、NEXCO各社がこの秋からちょっと面白い実証実験を始めるという。題して「短時間限定駐車マス」。うまくいけば、4時間走ったら30分休まなければいけない430休憩などの際に有効かもしれない。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
画像/フルロード編集部・NEXCO各社
今秋から11カ所のSAで実証実験を開始
東日本高速道路(NEXCO東日本)、中日本高速道路(NEXCO中日本)、西日本高速道路(NEXCO西日本)は、高速道路のSA・PAにおける大型車駐車マスの拡充を進めてきたが、さらなる利便性向上の取り組みとして、今秋から大型車駐車マスの一部を60分以内の駐車とする「短時間限定駐車マス」として整備し運用する実証実験を行なうことを明らかにした。
大型車ドライバーのより確実な休憩機会の確保を目的に、11箇所の休憩施設において順次開始する。
実証実験では、長時間駐車車両の存在により、駐車ができずにSA・PAを出ていく大型車が多い休憩施設に「短時間限定駐車マス」を整備することで、休憩機会の変化、周辺休憩施設を含めた混雑状況、効果的な整備位置などを検証するという。
短時間限定駐車マスの実証実験予定箇所は、上下別の11箇所で次の通りだ。
【NEXCO東日本管内】は、E4東北道の蓮田SA(上り)、上河内SA(上り)、安達太良SA(下り)、国見SA(下り)
【NEXCO中日本管内】は、E1東名高速の足柄SA(上り)
【NEXCO西日本管内】は、E2山陽道の福山SA(下り)、吉備SA(上り)、龍野西SA(上下)、E3九州道の古賀SA(下り)、E2A中国道の美東SA(下り)
なお今後、大型車駐車エリアの混雑状況を踏まえ、試行箇所数・マス数を拡大する場合もあるという。
NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本では、2018年度から休憩施設(SA・PA)の駐車マスの拡充・レイアウト変更を進め、これまでに約3000台分の駐車マス(大型車)を増設してきており、2023年度においても約600台の駐車マス(大型車)を増設する予定である。
しかし、都市近郊部を中心としたSA・PAでは、8時間以上の長時間駐車車両の割合が高く、依然として混雑している。その結果、駐車ができずにSA・PAを出ていく車両が多く存在しており、本来の休憩機会を逸しているものと考えられている。
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