UDトラックスとの大型トラクタ共同開発プロジェクトで生まれ変わった新型ギガトラクタ。ベース車のUDクオントラクタや従来型ギガとは何が違うのか? 徹底的に検証した!!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
UDクオンとの違いとは?
新型ギガトラクタは新型クオントラクタをベースに開発されており、基本的には同じクルマだ。
車型展開は共通で、4×2セミトラクタが「ギガEK/クオンGK」、6×4セミトラクタが「ギガEW/クオンGW」、6×4フルトラクタが「ギガSW/クオンCW」、8×4フルトラクタが「ギガSG/クオンCG」となる。ただ、クオン・フルトラクタにはショートキャブ車がないため、いすゞでは従来型ギガCYJショートキャブ・フルトラクタの生産を継続する。
パワートレインも共通で、エンジンは総排気量10836ccのGH11型(390/400/420/430/460PS)と同12777ccのGH13型(470/490/530PS)の大きく2種類。トランスミッションもクオンと同じ12段AMTとマニュアルの2種類を設定する。
クオンの特徴である電子制御式油圧式パワーステアリングや総輪ディスクブレーキも共通となる。ADAS機能はクオンと同じだが、21年型ギガにあった斜め前方ミリ波レーダーやドライバー異常時対応システムは非搭載となる。
生産は、クオンの組立ラインがあるUDの上尾工場で行なう。ただし、架装する第5輪(カプラ/連結装置)はギガが横浜車輌製、クオンがソーシン製と、若干異なるようだ。
一方、内外装や装備/仕様は微妙に異なる。
まず外装だが、新型ギガトラクタはクオンのキャブ骨格を用いながら、パッと見が意図的に従来のギガとソックリになるよう、いすゞデザインセンターでデザイン作業を行なっている。そのためヘッドランプやフォグランプを従来のギガから流用しており、フロントパネルやバンパーは、クオンをギガ顔にするため新たに型を起こした専用品となっている。
内装は基本的に同じデザインだが、カラーリングが異なり、濃淡グレーのツートーンを採用するクオンに対し、ギガは21年型ギガと同様のエスプレッソとブラックのツートーンを採用する。
装備は明確に差別化されており、クオンGKではメーカーオプションとなる以下の装備がギガEKでは標準装備となり、ギガの方がやや上級志向(価格も上)となる。
●ギガEKの標準装備(クオンGKはオプション)
・ベルトインシート
・フルオートエアコン
・大型センターコンソール
・ホット&クールボックス
・保温機能付きカップホルダー
・ヘッドコンソール
・サイドミラー電動調整機能
一方、本革巻きステアリングホイールやカスタムグレードはクオン専用オプションとなり、ギガにはいまのところ用意されていない。
また、クオンGWの専用グリルやシート色、エンブレムに相当する加飾も、ギガEWには用意されない。UDでは、クオンGWにシリーズ最強モデルとしての特別性を演出しているためだろう。
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