トラックのリアに「G」と書かれたステッカーが貼られているのを見たことがあるだろうか? このマークは、トラックが全日本トラック協会(全ト協)の「安全性優良事業所」認定制度、いわゆる「Gマーク制度」の認定を受けた事業所の車両であることを意味している。
「G」は 「Good/よい」「Glory/繁栄」の頭文字を取ったもので、厳正な審査により高評価を得た事業所のみに与えられる安全性の証だという。Gマークは運送会社単位ではなく、事業所ごとに認定・公表されるものだ。
もう少し詳しくいうと、1999年の運輸技術審議会で「優良な事業者を認定しよう」ということになり、「全国貨物自動車運送適正化事業実施機関」に指定されている全ト協が「貨物自動車運送事業安全性評価事業」として2003年より認定・公表を行なっているもので、国土交通省が推進している制度である。Gマーク付きのトラックは信頼と安全を背負って走っているのだ。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
認定トラックは全車両の約50%
Gマークはもともと「安全性」という見えにくい取り組みを見える化し、利用者(荷主企業)が優良な事業者を選びやすくするという趣旨であったが、運送会社にもインセンティブが認められるとともに一般消費者へのアピールにもなるため、かなり普及している。
全トラックに対してGマークトラック(認定事業所の車両)が占める割合は2020年度に50.5%となり、制度開始以来、初めて過半数を超えた。ちなみに、初年度の事業所認定率は2.5%、認定車両割合は4.3%だった。
全ト協が2017年に行なった調査によると、Gマークの認知度(マークの意味まで知っている人の割合)は運送業の関係者で97.7%、荷主側で71.4%、一般でも36.5%に達し、社会に広く認知されてきている。
実際の事故発生件数は、Gマーク未取得の事業所が、トラック1万台あたり8.6件に対してGマーク事業所が4.0件と半分以下になっている。重傷事故や死亡事故に限るとおよそ3分の1(いずれも2019年の事故報告より)であり、実際の事故件数の少なさがGマークの普及を後押ししていることがわかる。