元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.124

元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.124
長距離ドライバーの健康問題(其の二)
私がトラックに乗る前の体重は57kgであり、それを数年間維持していた。体重が増えだしたのは、長距離に乗り始めて3年くらい後のことで、三重県の名張市に家内を呼んで以降のことだ。
それまでは、休みの時以外は全て外食ですませていて、定食が主流だった。もちろん、時には単品のうどんや焼きそば、またはラーメンになどに、関東ではおにぎりを、そして関西ではおでんを付け足していたくらいですませていた。だが、意外にもそれだけで足りていたのである。
関東ではおでんがセットで出てくるために、好きなものが選べなかったのでおにぎりにしていたのだが、関西より西ではおでんが好きなものを選べるのでその方を好んだ。
当時、コンビニがそんなに普及していた時代ではなく、何処の国道を通ってもドライブインが必ずあったので、弁当にはそんなに縁がなかった。今は、コンビニに押されてしまって、多くのドライブインがなくなっているのを寂しく感じてしまう。
ドライブインには、その地方独特の味付けと、地方独自の料理などを垣間見ることが出来ていたので、貧乏をしながらでも結構楽しめたものだ。また、長距離ドライバー相手の店では、値段もそんなに高くはなく、良心的だったと思う。
もっとも値段で言えば、安いのは市街地の商店街の食堂やその近くの食堂だった。時間がある時、東京の下町辺りでトラックが停めやすい場所で、そのような店を探し歩いたものだ。
もちろん4トントラックなので、届け先を探すついでに食堂があるのを確認することも怠らなかった。特に思い出があるのは、あのおまわりさんの劇画で有名な葛飾である。公園の横に4トンなら何とか停められる場所があり、そこの停めて食べに行った記憶がある。
また、近い場所におにぎり屋さんがあり、そこでは一個40~50円で売っていたので、まとめ買いしたこともある。昼食兼夕食である。もう、懐かしい28年くらい前の話だ。
余談だが、東京といえば忘れられない思い出がある。あるところに入り、豚汁定食を頼んだ時のことだ。出てきた豚汁を見て、ビックリ仰天ホイサッサ!
「あのね、あんた俺をバカにしとっと!」とは叫ばなかったが、九州で豚汁と言えば、根菜類の三~四種類とコンニャクくらいは入っている。ところが、出てきた豚汁を見ると、豚の切り落としの脂の部分だけ二~三切れ浮いているだけだったのだ。お口あんぐり状態がしばらく続いた。
しかし、思い返してみると、東京で定食類を頼むと、おかずがかなり貧相だった。東京の人って、食生活が貧しいのね。ナンテ思っていた時である。それを思うと、何となく納得してしまった。
当時、駐車しても周囲が寛容で、そのようなことが出来たが、現在ではとても無理だろうと思う。貧乏と道連れの時代、太るにも太りようがなかったというのが正解かもしれない。
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