日野チームスガワラ、ダカールラリーレポート №17

日野チームスガワラ、ダカールラリーレポート №17

アタカマ砂漠の難関でポジションアップ

2013ダカールラリーは17日、アルゼンチンから再びアンデスを越えてチリへ入り、アタカマ砂漠の中心地コピアポ周辺で319㎞の競技を行った。2013年のダカールラリーもいよいよ終盤戦。当初は16日フィアンバラ砂漠からの3連戦が最後の山場と目されていたが、フィアンバラが悪天候で中止されたため、アタカマを舞台とする17日と18日のステージが実質的な最後の勝負となった。この日の競技区間(SS)は走り出しは標高3000m超の山越えだが中盤以降路面は砂地に変化。アタカマ特有の高くそびえる柔らかい砂丘を越えるところも数か所用意され、難易度の高い行程となった。
日野チームスガワラの日野レンジャー(輸出名 HINO 500 SERIES)2号車菅原照仁/杉浦博之組は、落ち着いてこのSSにアタック。コースの難易度はそれほど高くなく、日野レンジャーの機動力をもってしても他車に大差をつけるには至らなかったが、それでもトラック部門総合16位・排気量10リットル未満クラストップの好成績でゴールした。一方、水温上昇のトラブルを解決した1号車菅原義正/羽村勝美組も快走。標高の高い区間ではエンジンの高地補正制御の関係で出力低下傾向となったが、砂丘を問題なくクリアし、総合30位・クラス4位でSSを終了した。
この結果により2号車は累計順位を総合16位にアップさせた。排気量10リットル未満クラスでは、15日まで2位につけていたJ・エルフリンク/M・デ・グルート組(メルセデス・ベンツアクサー)はSS中のコースアウトで戦列を去り、代わってR・ヤン・シュトゥコフスキー/J・カズベルク/W・ビアロバス組メルセデス・ベンツウニモグが2位に浮上したが、2号車とのタイム差は実に6時間12分52秒に及んでいる。また、1号車は同じく累計順位を総合29位・クラス4位とした。
18日はチリのコピアポ~ラ・セレナ間で441㎞の競技が予定されており、前半部分で再びアタカマ砂漠の砂丘越えを設定。最後の難所に向けてコピアポのビバークでは日野メカニックたちが日野レンジャーの点検に余念がなかった。

★チームメンバーのコメント

菅原義正/今日はSSで標高の高いところも走りましたが、水温上昇の問題はすっかり解決されていました。砂丘ではずいぶんトラックを抜いて気持ちよく走れました。

羽村勝美/ナビゲーションが意外に細かかったですね。明日も前半はアタカマなので気合を入れていきます。

菅原照仁/もっと砂丘が難しくないと我々にとって厳しい。トラック全体のレベルも上がっているので、差をつけるのは大変です。ともあれ今日は快調に走れました。それにしてもトラックはとりわけSS距離が短くてスプリントレースのようですね。

杉浦博之/標高が高いところは苦手なんですが、今日は大丈夫でした。実質的に明日が最後の競技なので、頑張ります。

★フォトギャラリー

BH8P8087 浦辺メカニックリーダーに車両の状況を説明する菅原義正.jpg
浦辺メカニックリーダーに車両の状況を説明する菅原義正

BH8P8095 順調さをアピールした羽村勝美.jpg
順調さをアピールした羽村勝美

BH8P8037 コピアポでブレーキの調整を受ける2号車.jpg
コピアポでブレーキの調整を受ける2号車

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