スタートに向けて準備万端 リマ市内で車両検査を実施
ダカールラリーが南米に舞台を移して4年目。2013年大会はこれまでのアルゼンチンに代わってペルーの首都リマがスタート地となる。2台の日野レンジャー(輸出名HINO 500 Series)で参戦する日野チームスガワラは、12月19日にメカニックらスタッフがリマに到着し、日本から海路で送った車両を受け取ったあと、市内にあるペルートヨタの拠点に場所を借りて準備作業を行なってきた。そして1月2日には、主催者による車両検査と人員の書類手続きを受けて無事合格。車両はパルクフェルメ(車両保管場)に納められ、1年かけて進めてきた2013年大会への準備はこれで万端整うことになった。
ペルーでも人々のダカールラリーに対する関心度は高く、街角にはラリー関連の広告看板が並び、各チームやスポンサーのイベントが行なわれている。27日にはペルートヨタの主催で日野チームの紹介イベントも行なわれ、初出場のメカニックたちも現場の雰囲気を感じて気持ちを引き締めた。
車検会場が設けられたのは市の南西側にあるマグダレナ海岸に面した公園の一角。今が真夏の南米だが、海沿いのためかリマは涼しい風が吹き、日差しは強くても日蔭は過ごしやすい。日野チームは書類手続きに続いて初日の一番手で車両検査に臨むと粛々と検査項目をこなしていった。今回からサスペンションのストロークを規定値内に規制するために主催者支給のリバウンドベルトを装着することが義務付けられ、その確認などに若干時間を要したものの、菅原照仁/杉浦博之組の2号車は問題なく終了。菅原義正/羽村勝美組の1号車には一時キルスイッチの不具合が発生したが、復旧して事なきを得た。
検査を終えてパルクフェルメへ向かう途中のポディアムでは、1号車がセレモニーのために訪れたペルーのオジャンタ・ウマラ大統領にスタートを祝福されるハプニングも。大統領とがっちり握手をかわした菅原義正は改めて健闘を誓っていた。
車検は4日まで行なわれ、5日の朝8時からスタートセレモニーを5km南方のチョリロス海岸で実施。最初のビバーク地ピスコへ向かう途中には、13kmと短距離ながら、最初の競技区間(SS)が用意されている。
★チームメンバーのコメント
菅原義正/今日も一番手で車検を終えて気持ちよくスタートに向かえます。電子制御化されたエンジンを積む新型車を担当しますが、エンジンはもちろん、ドラムからディスクに替わったブレーキも良い感じ。3年ぶりにナビを務める羽村君はまかせて安心ですし、今からすごく楽しみです。
羽村勝美/自分にとって3年ぶりのダカールラリーですが走り始めれば感覚は戻ると思います。菅原(義正)さんと走るのは1992年以来これで11回目。経過も結果も良くの「完走」を目指します。
菅原照仁/リマには24日に入りましたが、体調もばっちり。クルマの準備も万端です。2号車は旧世代の改良型です。これまで熟成を重ねてきたモデルの卒業の年になると思うので、きっちり結果を出してあげたい。
杉浦博之/今回は初めて照仁さんのナビを務めます。速度のアベレージが上がるのでナビゲーションはもちろんエア圧の管理など、細かく対応してサポートしていきたいです。
鈴木誠一/こちらにきてから主催者から支給されるリバウンドベルト取り付け用のステーを準備したことぐらいで、準備作業はすべて予定通り。主催者のカーナンバーを貼るスタッフが不慣れでちょっと困りましたね。
浦部満広/2009年以来2回目のダカールラリーで、最終調整ではもっとトラブルが出るかと心配していましたがなにもなく、細かいセッティングにまで時間を掛けることができました。今はスタートが待ち遠しいです。
菊池孝泰/自分は1号車を担当することになりました。車検会場に来るといよいよラリーの現場に来た感じで緊張してきますね。こっちに来て最初は厳しかったですが今は時差もとれて体の調子も良いです。
小磯武士/準備作業は本当に順調だったのですが、時間があると細かいところまで気になって心配になる面もあります。ここにきてじわじわとスタートの雰囲気を感じているところです。
酒井芳明/時差ぼけが取れるのに10日間かかりましたが、今は快調です。ラリー中はとても暑いと聞いていますが、徳島も夏が厳しいので頑張れると思います。
★フォトギャラリー
ラリープレートを注意深く取り付ける酒井メカニック
自らカーナンバーを貼る鈴木誠一エンジニア/メカニック
検量に臨む2号車
日本から駆け付けた日野自動車のスタッフと健闘を誓い合う日野チーム
スタートに向けて準備を整えた菅原義正
オジャンタ・ウマラ大統領とともに選手紹介のポディアムに上がった日野チームスガワラ
車検を終えてポディアムでの選手紹介を受けた1号車
いち早く車検を終えてパルクフェルメに納められた日野レンジャー
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