追想記(並走車19)
一口で並走車と言っても、その状況はさまざまであり、道路状況によっては致し方ないこともあります。道路が混雑している場合は、それが並走といえるのかと言えば、決してそうではないと思います。我々トラックドライバーが並走車を嫌がるのは、順調にトラックを走らせている場合ではないでしょうか。道路が混みあっている時には、自ずとそれを理解しているものです。当然、苛つくこともなく精神状態は安定しているはずです。
そんなに渋滞がなく、車間距離もある程度取れている状況で並走されると、これはもう頭にきます。誰もが経験していることですね。また、あるアンケートによると、乗用車からトラックの横を走られるのが一番嫌だと言う意見が多かったのを記憶しています。これは、トラックに限らず乗用車同士でも同じことなのですが、乗用車はトラックに比べて減速や加速が容易なため、並走されると自ら加減速を簡単に行なえます。
しかし、トラックはそうはいきません。減速するのは簡単ですが、加速は荷物を積んでいるとギヤチェンジを含め時間がかかります。そのために減速するのが嫌で、トラックのブレーキングが遅れることもしばしばです。これは、私自身が経験したことです。そのために、並走車に対して自ら加減速をして先に行かせるとか、また、自分が先に行くという行為が行ない辛いことがあります。そのことが、より一層並走されるのを嫌がることに繋がっているのではないでしょうか。
もちろん、前回書いた実際上の危険回避の件もありますが、気持ちの上での原因もあると思います。そして横に車がいると、ハンドル操作が出来ないということで、そこに雪隠づめされた気分にも陥ります。
このような、釣られて並走ではない場合は、本当に困ったものです。まさか、幅寄せをして追い払う訳にもいかず……。
ただ、ここで申し上げたいのは、先ほど書いた道路状況によってドライバーの精神状態が変わるということです。渋滞時のノロノロ運転では、横に車がいるのは当たり前です。もちろん、横合いからの飛び出しなどの危険性も少ないのは当然です。同時に、ある程度順調に走ってはいるものの、道路上にたくさんの車がいて思うほどスピードが出せない状況でも、ある程度横に車がいるのを納得しているのではないでしょうか。
つまり、この辺りにプロのドライバーとしての気持ちの切り替えが、可能な気がしてなりません。道路状況によっては知らず知らずのうちに納得してしまっている並走車の存在。が、車間距離が十分に取れるくらいの道路状況だと納得できないイライラ感。
実は、この気持ちの切り替えについては、私自身経験があるわけではありませんし、具体策は何も持ち合わせていません。これは、現役の皆さん方の気持ちの切り替えを図るのに役に立ちはしないかと提唱するものです。
★朝令暮改
実は、ブログを復活いたしました。「長距離運転手の叫びと嘆き」の中のブログです。
復活しないと宣言すると、「勿体ない」という意見が周囲から寄せられました。私自身の書いたブログですので、内容的には未練はなかったし、恥じ入ることも書いてあり、いろんな意味で切り替えと考えてのことだったのですが、書く者と読む者の温度差と申しましょうか、少なからずあったようです。その意見に押され復活することに致しました。もちろん、アメーバのブログも続けるつもりです。誠に申し訳ありませんでした。
●トラさんの「長距離運転手の叫びと嘆き」のURL
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
●トラさんのアメーバのブログのURL
http://ameblo.jp/tora-2741/
コメント
コメントの使い方