元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.59

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トラックドライバーの誇り その57

「三方得」にならなければ成功しないと、以前このブログに書いた記憶があります。もちろん、大岡裁きの「三方一両損」を真似たものです。
それはいったいどういうことなのか説明します。
このような法改正をする場合に於いて、一番の問題は反対意見です。政治行政の場合、やはり圧力団体の存在でしょう。しかし、私の提案する法改正には、ほぼ反対意見は出ないはずです。

一つ目の心配は荷主の圧力ですが、現在の運賃よりも価格が低い状態、若しくは同等の運賃なら反対は起きないはずです。そのためには、実際に走っている運送会社の経営者の皆さんが、実際にかかる経費から計算して、適正運賃の試算をするべきです。
自分で難しい場合は、専門家に頼んでください。

二つ目は、その小零細企業の経営者の方々ですが、今の運賃で満足はしていません。この運賃制度が出来れば万歳のはずですが……。実際には問題があります。
営業能力のない経営者は、生き残るのが難しくなります。水屋に比重を置いている運送会社が増車をし、本来の運送業に力を入れると、弾き飛ばされる恐れがあります。取引先を、不安定な水屋から元受や荷主にシフトする必要があります。
また、ネットでトラックドライバーの過酷さの実態が暴かれると、一時的にドライバーのなり手がいなくなる恐れがあります。しかし、それは最低運賃制度が確立されるまでのことです。無血の戦いなんて存在しません。我慢が必要です。

三つ目はディーラーです。現在、市中を走っているトラックに、運送会社独自のカラーが無くなりつつあります。一体どういう事なのか?
ディーラーの希望で、塗装を遠慮してもらうケースが多いと聞きましたが、確認はしていません。ディーラーは後々の事を考えると、中古車で売る事態に陥った時には、塗装が邪魔な事は言うまでもありません。また、ユーザーは余分な経費を掛けたくない現状があるのでしょう。
つまり、ディーラーは経営状態の悪い運送会社にトラックを売ると言う綱渡りの商売を現在しているわけです。
この法制度が出来、運送会社の経営が安定すれば、ディーラーにとっても万歳のはずです。

四つ目のドライバーについては、何も言う事はないはずです。

五つ目の水屋ですが、これが唯一の反対論者でしょう。そして、同じ業界の、同じトラック協会の会員なのです。この反対は大きいかもしれませんが、世論が高くなれば彼らも反対できません。

六つ目の世論です。これは、トラックの安全意識が高いことを知らせ、朦朧運転が運賃の安さにあると理解してもらえれば、大きな力になると信じています。
今回のバスの事故で、低運賃が背景にある事が暴かれようとしています。トラックの大事故も同じ背景なのです。それを理解していただきましょう。

国民とドライバーの安全を第一に掲げ、訴えれば勝機は十分にあるはずです。実行するしないは、現役のドライバーのあなた方です。
また、ドライバー募集に応じるものが撃滅した場合、その時は勝ったも同然ですので、経営者のみなさんも頑張ってください。

当然のことながら、ドライバーがスレッドを揚げたりコメントを付けるだけで、物事の解決とは考えていません。第二第三の打つべき手が必要です。が、そのことについては手の内を明かすわけにはいきません。
まずは、第一弾に全力を挙げるべきです。

トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
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