元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.46
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寄稿・連載
トラックドライバーの誇り その44
前回のブログの末尾で、「トラックを保有している会社ほど、仕事を持っていない」と、書きましたが、それは私の表現が断定的過ぎました。正しく言えば、その傾向にあるというのが正しいのは言うまでもありません。
新規参入業者の多くが、仕事をを回してくれる他の運送会社の荷物を運んでいるのが実態であり、また、以前からある小零細業者もその傾向にあります。それゆえ上記の表現になったのですが、小さいながらも荷主と取引があり、堅実経営をしている会社もあります。当然のことです。また、トラックを大規模に抱える運送会社も未だに健在です。
ただし運送業界の大きな流れとして、仕事の斡旋業務を本業とし、実際に運ぶのは取引関係にある子会社、下請け業者に任せているという事実は変わりません。
話を戻したいと思います。
そのような業界の流れが、本当に正しい姿でしょうか? 労働者でも同じことですが、派遣社員の給料は下がり生活が厳しくなる一方で、派遣業者が儲かっている現状は、本当にあるべき姿なのでしょうか? 派遣社員が雇用の調整弁になっているのと同様に、トラックを保有している会社が、実際に運行している会社が、業界の調整弁になっているのです。
そのような厳しい環境の中で、経営者は苦しい経営を強いられ、ドライバーは無理をしなくてはならない。ある同僚の試算ですが、時間当たりの給料が400円を割り込んでいたという実態があるのです。それは、地場の仕事がほとんどの会社でしたが、これが現実なのです。
大まかですが、最低運賃制度が必要な背景を説明しました。次回からは、その制度について書きたいと思います。
トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
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