トラッカーのための「道草」知っと講座

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元祖 復興の象徴「キョウチクトウ」
今どき、ピンクや白の「キョウチクトウ」は、トラックドライバーの車窓の友と言えるのではないか。高速道路の側壁や中央分離帯によく植えられている、インド原産の常緑低木である。花期は6月~9月までとかなり長い。一重や八重の花があり、園芸種には黄色の花もあるということだが、残念ながら未見である。
キョウチクトウも「夾竹桃」と漢字で書けば一目瞭然。葉が竹の葉に似て、花が桃に似ていることからこの名がついたと言われているのだが、ふんじゃ、一番前の「夾」はどういう意味なんですか?と聞いても誰も答えてくれない。「夾」は「はさまる」という意味だから、竹と桃に挟まれた植物ということなんだろうか、よく分からないけど……。
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さて、これは是非覚えておいていただきたいのだが、キョウチクトウには経口毒性がある。花、葉、枝、根、果実すべての部分と周辺の土壌にも毒性があり、生木を燃やした煙も毒があるというから、昨日ご紹介したヨウシュヤマゴボウよりさらに危なそうだ。フランスで発生した死亡事故について、警察が調べたところによると、7人が死亡した際、バーベキューの串に使っていたのがキョウチクトウの枝だったという。火に焼かれることでオレアンドリンが染み出し、肉や野菜にも染み込み、その食材を食べたため7人もの人間が死亡してしまったのだ。オレアンドリンは毒物ではあるが、強心作用のある薬物としても優れた薬効がある。
そんな「キョウチクトウ」であるが、日本人の私たちにとって忘れられない、忘れてはならない花でもある。66年前原爆が投下され、何十年間も草木も生えないといわれた広島の被爆焦土にいち早く咲いた花だからだ。原爆からの復興のシンボルとして、広島市の花にもなっていることはご存じの通りである。ちなみに乾燥や大気汚染にも強いことから、前述のように高速道路をはじめ街路樹に利用されているのだろう。
被爆焦土に咲いた赤いキョウチクトウの花は、戦後の復興に向け、広島の人たちに勇気と希望を与えたという。東日本大震災の被災地にも、キョウチクトウの花に負けない、強く美しい花を何としても咲かせたい、そう切に願っています。 (キャップ)
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