恐山~死の彷徨 その12
こうして午後8時過ぎ(そのくらいだったような気がしますが、定かではない…)にようやくむつ市に到着。さすがに無謀な酔っ払い野郎たち(この頃はさすがに酒を飲む気力もなくなり、「慢性アルコール中毒」のヒサシさんでさえ、ほとんど素面でしたが…)も、この時間に恐山へのルートに突入する勇気はなく、むつ市内で夜明けを待つことになりました。
しかしこの時間、開いている店はほとんど見当たらず、泊まれる様なところも見つかりません。しょうがないので、倉庫の陰になっていて比較的吹雪を避けられそうなところに車を停め、車の中でむさい男が6人、身を寄せ合って夜明けを待つ姿は、ほとんど落ち武者のようです。
しかも食料がほとんどなく、全員が空腹で「シベリアに抑留された人たちは大変だったんだろうなあ」(古い話を持ち出すなあ)と言い出す始末。しかし、そこに残っていたんですねえ。ハイ、思い出してみましょう!東京を出発する前、四谷の丸正で買出しをした時、ヒサシさんが「何か」を大量に買い込んでいましたよねえ。そう!バナナ!そのバナナがまだ残っていたのです! 6人の落ち武者はひとり2本ずつのバナナを与えられ、それをかじりながら吹雪の中、ひたすら夜明けを待ちましたとさ。(根性でつづく) 山高一浩