恐山~死の彷徨 その7
酔っ払い連中がグッスリと眠りこけていた間、迫り来る睡魔と闘いつつ、300kmを走破したてっちゃんは力尽き、もはや叩こうがつねろうがピクリとの反応しない爆睡状態に入っています。そのてっちゃんを後部座席に移動させ、次は僕がハンドルを握りました。しかし、前夜の酒は完全に体内(特に胃と脳の中)に残り、アルコールチェックをしたら完全に「酒気帯び運転」状態です。それでも、残った5人の中では一番、素面に近い状態なので、運転せざるを得ません。半分アル中のヒサシさんなんか、起きた途端「目覚めの一杯」とか言いながら、ワンカップを開けてるし…。
それでもこの頃は全員、恐山に向かってまだまだ前途洋々、希望に燃えて東北道をひた走っていたのでした。しかし、仙台を通り過ぎ、岩手県に入った頃から、雲行きが徐々に怪しくなってきました。空が見る見る暗くなって、東北の冬特有の重い雲が立ち込め、そこから恐れていた雪がチラチラと舞い始めてきたのです。ラジオのニュースに耳を澄ますと天気はこれから下り坂で、東北、北海道には気圧の谷が進んできて、大荒れの予想と言うではあ~りませんか!(あははっ、こりゃ笑うしかない…)
みんなの記憶をたどると、岩手山SAを越える頃には雪はかなり本降りとなり、路面にも積もり始めて、50kmの速度規制が出ていたようです。そのうち雪は吹雪となり、明らかにタイヤがスリップするのがわかるようになってきました。(おいおい、ケツが流れてるじゃん!)この頃はガミさんが運転していたのですが、チェーンを巻かなければならないことは一目瞭然でした。でも、誰も「チェーンを巻こう」と言い出しません。なぜなら言い出したが最後、「じゃあお前が巻け」と言われるのがわかっているからです。この吹雪の中、凍りつく車外に出ることは避けたい…。(でも、そろそろ本当にやばいよ)
皆様もご存知のように、雪道ではこうした一瞬の躊躇が命取りになることが多々あります。「あの時、チェーンさえ巻いておけば…」と言っても後の祭り。まさに「クルマは急に止まれない」のです。さすがのガミさんも目つきは真剣で、時速30~40kmをキープしたまま、テレテレと走り続けます。もはや、誰の目にも「チェーンを巻かないと危険!」なことは明らかなのですが、誰もビンボークジは引きたくない。さて、どうなる新宿ナカヨシ会! (さらに続くぞ!) 山高一浩