多賀まりおの「ハミ出しフルロード」

多賀まりおの「ハミ出しフルロード」

多賀まりお氏といえば、トラックの技術分野の解説では間違いなく日本一の書き手で、しかもプロカメラマンとしての腕も超一流という得難い人物である。「フルロード」の車両解説/技術解説そして写真撮影は、この人がいなければ始まらないといっても過言ではなく、キャップも全幅の信頼を寄せているが、いよいよその多賀氏にもこのホームページで健筆を奮ってもらうことになった。題して「多賀まりおのハミ出しフルロード」。まだ季刊ベースで、紙幅が限られている「フルロード」では、載せたい記事の積み残しが多く、多賀氏にはそんなオーバーロード分から、主に車両や技術分野の話題を取り上げてもらおうと思っている。最近のトラックは新技術がテンコ盛りで、トラックドライバーも戸惑うことが多いと思うが、そんな新車/新技術のカンどころを多賀氏の解説でお勉強するのも一興では……。まず第1回目は、よく分からないままに「あれよあれよ」いう間に搭載が進んでいる尿素SCRとアドブルーの話。ちょっとむずかしいけど、ついてきて下さいね、きっと勉強になりますから……。(キャップ)

 

知っておきたい尿素SCRとアドブルーの話 その1

 尿素SCRは、最新のNOx低減用後処理技術のひとつです。順を追って説明すると、NOxとは窒素酸化物の総称で、NO、NO2など酸素の結合数に複数の種類がある(NO2、N2O3など窒素が2価の結合もある)ため「x」と表記します。高温・高圧での燃焼によって、本来反応しにくい空気中の窒素と酸素が反応して出来るのが主な発生源で、自動車のエンジン排出ガスによる発生量が全体の約3割を占めるとされています。多量のNOxは、光化学スモッグや酸性雨などの原因となることから、大気汚染原因物質として排出ガス規制の主要な対象物質のひとつになっているのです。
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ガソリンエンジンの排出ガス規制対応では、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)と共にNOxを酸化/還元する後処理装置「三元触媒」が広く使われています。しかし、ディーゼルエンジンの場合は、シリンダー内に多量の空気を採り込んで(酸素が過剰な状態で)燃焼させるために、燃焼室内に窒素も多く存在し、ガソリンエンジンよりも多くのNOxが生成されると共に、同じ理由から排出ガス中に酸素が含まれるのです。
このため(排ガス中に)酸素があると浄化能力が大きく低下する三元触媒は使えず、それ以外に有効な触媒の開発も進んでいなかったことから、ディーゼルエンジンのNOx対策はこれまでエンジン本体での低減が中心でした。燃料噴射タイミングの遅延のほか、排気ガスの一部をシリンダー内に再導入するEGR(エキゾースト・ガス・リサーキュレーション)などが燃焼温度(のピーク)を下げ、NOxの発生を抑制する技術として使われていたわけです。(つづく)

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