辿り着いたらいつも最悪!? 海コンお姉さんの「こんな配達先はイヤだ~!」

しつこいクレーマー爺さん登場!

 こんな理不尽なことはしょっちゅうありますが、記憶に新しいマジ切れ寸前の出来事がありました。

 とある北陸の倉庫に配達に行った時のこと。その倉庫の近くに新しい道路を建設するにあたり、「実際にクルマを走らせて検証したい」という依頼が行政のほうから配達先にあったそうです。

 たまたま北陸に行く順番にあたっていた私。仕事ではないけれど初めての業務にワクワクしていました。同じ会社の人と責任を持って立ち会って、ガードレールやごみ置き場など気になるポイントを集めようと、意気揚々と向かいました。

 工事現場の少し手前で、配達先のお兄さんと待ち合わせをして現場に入って行き、現場と倉庫につながる道を往復してポイントを確認。あとで土木課の人が来たら、もう一度一緒に見てもらおうと打ち合わせをしていました。

 そうしたら……、近所に住むお爺さんが出てきて「ア~ンタね、ここが工事現場とわかって入ってきてんのかね」と少々お怒りのご様子。

 「もちろんです。今日は市からの依頼があったので入っています。早朝に入ることも許可を頂いています」と丁寧に応対したんですが……、引っ込みがつかなくなったのか、そのジジイ(敬称しない)、どんどんヒートアップ!

 「警察の許可はあるのか! ワシが通報したらアンタ捕まるで!」だの「誘導員はどこにいてるんや!」だの一人大騒ぎです。

 誤解を解くために最初は丁寧に応対していた私もだんだん腹が立ってきて、「そんなん言われても困りますわ! こっちも指示通りきてるし、ちゃんと許可もろて入ってますから」と言い合いになり、配達先のお兄さんが慌てて間に入って説明するんですが、どんなに説明しても聞き入れない頑固さ。自分の勘違いを認めるのがそんなにイヤなんですかね。

 ひとしきり兄ちゃんに怒鳴った後、また私のところに戻ってきて「アンタのやってることは違法や! わしが通報したら……」とまた同じ話を始めます。

 「もうエエ加減にせえ!」と言ってやろうと思ってたんですが、配達先の兄ちゃんが手を合わせて「もめんといて」と無言で訴えてるし、アホらしくなってきたので、何を言われても返事をしないでいました。

 すると、段々言うこともなくなってきたのか、今度は「ここは小学生も通る道だ!」とか、『工事現場に子供が入ったらそっちを怒らんかい!』と突っ込みどころ満載の発言まで始めて、いい加減うんざりして「アンタの家そこやな。後で土木課の人間がきたら話つけにいきますわ」と、やっとのことでお引き取り願いました。

 一見気の弱そうな配達先の兄ちゃんと、どう見たってか弱い私をそんなに威嚇して楽しいんですかね?

 とりあえず荷降ろしも終わり、土木課の人達も到着して、その経緯を話して「あとでキッチリ話つけに行っといてな」と丸投げしておきました。それから道路の検証が始まり、また現場と倉庫の間を走らせたり停めたりしているのに、ジジイは出てきませんでした。検証をしているすぐ横の家なのに……。

 普段はウサギのような小動物のイメージのアタクシも、こんなクレーマーと遭遇するとトラに豹変しそうです。……新しい自分を発見できた出来事でございました。

クレーマーはどこにでもいるけど、このときばかりはトラに豹変(しそうだった)
クレーマーはどこにでもいるけど、このときばかりはトラに豹変(しそうだった)

 現場検証では「ガードレールは3枚ほどめくってね」「ゴミ置き場は奥にずらしてね」「この角は隅切りしてね」などなど、自分が通りやすいように土木課の人に伝えました。

 ほとんどの希望は通りそうだったのですが、一点だけ「う~ん」と唸らせたのは角の隅切り。その角にある土地は、クレーマー爺さん家の所有らしい。

 あれから数カ月……現在工事はその時のまま止まっている(汗)。もしかしたら爺さんのせいで工事が中断? それとも私があれもこれもと言い過ぎたから? 事情はよくわからないけれど、なんだか少し気マズイです。

 あれ以来爺さんには遭遇していませんが、そこに行くたびに記憶が蘇り、トラへのスイッチが出てきます。配達先や関係者の手前、スイッチを押すわけにはいきませんが、なんでいつも文句言われるのは運転手のほうなんですかね?

 私はいつもウサギでいたいんだ~!!

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