睡魔と戦うのは当たり前!? プロドライバーが実践しているリアルな居眠り運転の対処法

海コンお姉さんはホッペタを殴って睡魔退散を願ったことも……/ゆで

 運転手の天敵、それは渋滞・通行止め・睡魔。3番目の敵に対しては、ガムを噛んでみたり、眠気覚ましのドリンクを飲んでみたりします。

 特に酷いときは、ハードなミンティアを5~6個口に入れて、ヒーヒー言いながら運転したりするんですが、やっぱり眠いものは眠い!

 特に寒い冬の日、凍える外から車内に戻り、ホンワカ温かいと、気持ち良くなってきて眠くなることはしょっちゅうです。

 そんな時は、窓を開けて冷たい風を入れたり、寒いのに冷たいものを飲んで目を覚まそうとするんですが、それでもダメな時もありました。

 雪が降る冬のある日。車庫を2時出発で山陰地方へ向かう鳥取米子道で明け方に睡魔が襲ってきました。

暖房をかけて走ってると睡魔が……。特に冬場の運転は要注意
暖房をかけて走ってると睡魔が……。特に冬場の運転は要注意

 よくやるのは、太ももをつねったり叩いたりして意識を痛みに集中させること。でも、その日はそれも効果がなく、仕方なくホッペタを軽くつねったり叩いたりしていました。

 ダメ! 女優は顔が命! 力任せになんてできません! でも、せまりくる睡魔との戦いは危険度90。意を決して強めにホッペタを平手打ち! 

 「そっか、ビンタってやつはこんなに痛いんだ」。いやいや、もの思いにふけってる場合じゃありません。

 さらに「力任せにビンタしたらどのくらい痛いんだろう?」。そんな体験は誰にも聞いたことがない。で、よせばいいのに心の静止を振り切って、ピシャッ!!

 瞼とホッペタがジーン! 心にジーンと染み渡るジーンではなく、ヒリヒリするようなジーン! 耳までキーンと鳴ってました。「確かに痛い!」と確認しなくても痛い。

 一瞬目が覚めるものの、少したつとすぐ眠気はやってきます。そのたびにピシャだったり、ギュッとつねってみたりするうちに、ぶつけようのない怒りというか闘志というか、ボクサー並みに興奮状態に陥っている自分がいました(笑)。ボクサーってこうやって拳に力を込めるのね(納得)。

 眠気で不機嫌、ビンタで怒り心頭。それでも睡魔はとてもしつこく付きまとう。とうとう撃沈寸前まで眠気が襲いました。危険度MAX状態。

 殴られることに慣れてしまったホッペタは、少しの瞼の腫れと共に学習し、痛みを感じなくなりました。もう痺れているんですね。

 「眠いなぁ」と走っていると、前に4トン車が走っています。その4トン車、何を積んでいるのかシートがダラダラ。こんな下手なシート掛けを見たのは初めてです。

 ゆっくりノロノロと走っているので、すぐに追いつきました。追いついて「危ない!」とブレーキを踏んでハッとしたんですが、私の前には誰もいません。

 「アレ、今のはなんやったん?」とゾッとしました。暗闇でダラダラとシートを引きずるような荷姿に見えたものは、今思うとあの世への入り口だったのかもしれません。

ゆでさんのように幻覚を見る前に早めの休憩を!
ゆでさんのように幻覚を見る前に早めの休憩を!

 幸い前にも後ろに1台のクルマさえなく、まっすぐの直線だったので事なきを得ましたが、そんな出来事で目が覚めて、無事に目的地に到着。ホントに怖い体験でした。

 皆さんも眠い時は無理をせずに15分でも寝るか、どこかに停めて運転席から降りて気分転換することをお勧めします。睡眠物質ってやつは、寝るまで分解されないそうです。私もそれを先に知っておけば、無駄に不機嫌になったり試合後のボクサーの顏にならずにすんだと思います。

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ナニワの海コンお姉さんを自称するゆでさん。今では 同じ海コン仲間の男性ドライバーと、時には丁々発止と渡り合い、時には和気あいあいと語り合う立派な海コンドライバーに……。そんなゆでさんにも人知れず嘆かざるを得ない女子の気苦労がありました。