元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.5
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寄稿・連載
トラックドライバーの誇り その2
私がトラックを経験した年月は、集配車、ダンプ、長距離、地場を含めると三十年は超えると思う。集配をやっていた頃は、会社そのものが大手だったし、行き先が顔見知りになってくるので、通常の取引先との関係に近かった。つまり、そんなに嫌な目に遭った記憶がないのである。
私が運転手としての職業に世間の目の厳しさを感じたのは、長距離トラックに乗り出してからだった。それでも、バブル期になる前までは、そんなに極端な態度に出るところは少なく、せいぜい運送関係がやっている倉庫だけだった。彼らの横暴ぶりは、一部の品のない運転手と何ら変わりはなかった。もちろん、大手のメーカーの倉庫管理者の中にもそんな輩はいたが、ホンの一部でしかない。
決定的に変わったのは、バブルの最中だった。その頃は荷物は運びきれないほどあり、どこの運送会社でも人手不足にあえいでいて、希望者がいれば誰でも雇ったのが現状だった。その中には、住所不定者も当然いたし、恐ろしくガラの悪い奴もいた。しかし、多くはまともな運転手だったのだが、同じ運転手からもひんしゅくを買うような一部の連中のために、大手の倉庫関係者や家電メーカー倉庫関係者の態度が、恫喝的に変わっていったのは自然の成り行きだったのだろう。
だが、この話題だけで、何十回も寄稿しなければ書ききれないから避けたいと思う。なぜなら、運転手の誇りを書きたいからだ。しかし、この頃同時に、トラックの運転に対する非難も一般社会から上がったのも事実なのである。
トラックマガジンのホームページのアクセスは携帯からが多いと思うので、長文だと読みづらいと思う。数字を挙げての説明は次回にしたい。
トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
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