名古屋ボデーが製作したUDトラックス クオンベースのスライド重機運搬車。工作機械を運ぶユーザーの要望で製作されたもので、香川県のフジタ自動車工業製スライド機構に、名古屋ボデーが荷台架装を行なうのが特徴。荷台仕様もこだわり満載だ。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2026年3月発売「フルロード」VOL60より
工作機械を運ぶスライド重機運搬車
重機運搬車とは、油圧ショベルやホイールローダーなどの重機を安全かつ効率的に運べるトラックボディのこと。見た目は平ボディに似ているが、重機を安全に積み降ろしするため荷台を傾斜させる機構を持つ。今回紹介する荷台スライド式重機運搬車は、緩やかな傾斜角を実現するのが持ち味だ。
依頼主は工作機械の運搬/据付を専門とする久門機設(名古屋市南区)。積み荷は荷台への負荷が大きい重量物がメインで、オーダー内容は「強度を犠牲にすることなく、これまでの重機運搬車と同じぐらいの積載量を確保したい」というもの。使い勝手や見た目のカッコよさにもこだわったという。
架装ベースはUDトラックス クオンCG系GVW25トン級4軸低床8×4リアエアサスシャシーで、キャブバックに古河ユニック製4段2.93トン吊クレーンを搭載。キャブはクレーンを前に回せるよう天井が低い標準ルーフである。
フジタ製スライド機構を採用
荷台はスライド機構、鳥居、床までがフジタ製。スライド機構は積載量確保と床面地上高を低く抑えることができる「ライトスーパーローダー」で、床板は軽量化のためHARDOX450製を採用。これにより強度を確保しつつ薄型化が可能となり、標準仕様と比べて約200kgの軽量化を実現した。
鳥居はスチール製骨格にアルミ縞板製の補強を加えたもので、荷台有効長を稼ぐためできるだけ前側に搭載。上部にはレバーブロックやシャックルなど固縛機器を吊るしておけるフックを備える。
積み荷となる工作機械の積み降ろしはクレーンで行なうのが基本だが、形状や重さ的にクレーンで吊り上げられないものもあるためウインチを搭載。現場で使うフォークリフトもウインチで積み降ろしするという。
名古屋ボデーが架装した荷台
名古屋ボデーが架装した荷台は、左右4方開のアルミブロック製アオリを装備。アオリ上部には補強&滑り止めのアルミ縞板を装備。ヒンジは年々大型化する工作機械への対応を考慮して外出し式を採用。床フックは左右19対、中央19個とたっぷりだ。
リアゲートは鉄製のフレームにステンレス製の化粧板を張り、さらにその上からアルミ縞板製の補強を重ねた特注仕様。後方に出っ張りがある積み荷を乗せやすいよう、高さは1000mmとし、開閉はドライバー負担を軽減する電動油圧式としている。
鳥居後方の工具箱は名古屋ボデーのワンオフ品。後方または側面からアクセス可能な複数の収納スペースを持ち、脱着式なので不使用時などは降ろすこともできる優れモノ。このほかリアオーバーハング部にも工具箱を備え、使い勝手を高めている。
デザイン面ではリアゲートに大きな社名ステッカーを張って存在感をアピール。また「なるべくメッキパーツを使わないこと」にもこだわり、サイドガードはUD純正アルミ製を車体と同じネイビーで塗装して統一感をアップ。かっこよく仕上げている。
主要スペックは、車両寸法が全長11420mm×全幅2490mm×全高3420mm。荷台内寸が内法長8160mm×内法幅2390mmで、床面地上高1110mm。最大積載量が10000kgだ。



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