普通免許で運転できる「だれでもトラック」はこうして生まれた! 【いすゞエルフミオもう1つの開発ストーリー その1】

■エルフミオの訴求ポイント

エルフのデュアルクラッチトランスミッションに対し、ミオはトルコン式ATを採用。一般車で広く普及しているATはトラックに不慣れな人でも扱いやすい。もちろんAT限定免許にも対応する
エルフのデュアルクラッチトランスミッションに対し、ミオはトルコン式ATを採用。一般車で広く普及しているATはトラックに不慣れな人でも扱いやすい。もちろんAT限定免許にも対応する

――エルフミオを市場に送り出すにはアピールポイントをしっかり打ち出さなければならない、この点はどうだったのだろうか?

花田 やはりエルフミオは普通免許で運転できるというのが一番の特徴だと思います。次いで操作性であったり取り回しの良さであったり、あるいは安全装備、それらを兼ね備えたトラックであるということが見ていただきたいポイントだと思います。

 特に普通免許で運転できること、装備も充実していることから、今までトラックと関わりがなかった方にも乗っていただく機会が創出できるのではないかと思い、「だれでもトラック」というメッセージとともに、免許があれば若い方から運転に不慣れな方まで運転できるトラックということを打ち出していくことにしました。
 
 その方針に則り、発売と同時に各販売会社にデモカーを配備させていただきました。エルフとはエンジンが異なるので、トルクを含めて動力性能を確認したいというお客様の声もあるのではないか、そういった点を考慮し、いつでもデモカーに乗って確認できる環境をつくりました。

――普通免許で運転できるディーゼルトラックというのはエルフミオの最大のセールスポイントだと思うが、この点を含め試乗したユーザーの反響はどうなのだろうか?

花田 いすゞはディーゼルエンジンに対して大きな強みを持っていますし、やはり市場にはディーゼルを使い慣れたお客様も多い。そもそもこの市場にはいま現在ガソリン車しかなかったので、私どものディーゼルに対する経済性や環境性能といった評価も含めて、いすゞの強みである部分をしっかりと活かすことができる市場だと思っていました。

 実際に試乗したお客様の声としては、「乗用車感覚で運転できるね」「やっぱりディーゼルだね」という声が多かったと思います。特に積載した状態でもディーゼルの特性である加速感とかトルク感がしっかりと出せるエンジンだということを体感していただけたと思います。実際に試乗された小規模な事業者様からは、「従業員含めてみんなが乗れるトラックだね」といったお声をいただいています。

キビキビした走りが身上のエルフミオ。試乗したトラックユーザーの声としては、「乗用車感覚で運転できる」との声も……
キビキビした走りが身上のエルフミオ。試乗したトラックユーザーの声としては、「乗用車感覚で運転できる」との声も……

――「いすゞらしからぬ」といっては語弊があるが、今回のエルフミオではタレントの本田翼さんをイメージキャラクターに起用し、テレビCMをはじめ幅広い層に向けたプロモーション活動を展開した。この狙いはどこにあったのだろう?

花田 私どもも試行錯誤をしながらではありますけど、テレビCMやYouTubeなど、幅広い方にまず「だれでもトラック」というメッセージがしっかりと伝わるようなプロモーションの打ち方をさせていただきました。

 物流業界でトラックというと、男らしさというかベテランドライバーが乗りこなすというイメージがあると思います。そうした中で本田翼さんをイメージキャラクターに据えたのは、運転免許を保持していれば性別や運転経験を問わず誰でも運転ができるということをしっかり押し出していこうということでプロモーションさせていただきました。

 女性や若い人たち、あるいはパートタイムといった担い手を想定し、人手不足といった課題に対してアピールしていこうということですね。(つづく)

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