重量350トンの「Uボート」が道路を走った!! ドイツ海軍の潜水艦を博物館へ運ぶ!

ドライバーには極度の集中力が求められる

重量350トンの「Uボート」が道路を走った!! ドイツ海軍の潜水艦を博物館へ運ぶ!
ドイツ南部の美しい街並みを、潜水艦が走って行く非日常的な光景

 重量物輸送において、強力なトラクタと強力なトレーラに加えて不可欠なのが、経験と技術と集中力を兼ね備えたプロのトラックドライバーだ。

 ジンスハイムへの道のりで MAN TGX 41.680 8×6 のハンドルを握ったフリーデル・サーム氏は「重量物輸送を何年も行なっていますが、一つとして同じ仕事はなく、常に特別な仕事です。大きなものを運ぶのは、自分の誇りです」と話している。

 こうした輸送では、実際にモノを動かし始めるまで数年をかけて準備を進める。輸送可能なルートを事前に調査し、3D CADを使ってシミュレーションを行ない、行政や警察とも細部にわたって調整する。すべての重量物輸送は、それ専用にカスタマイズされた輸送だ。

重量350トンの「Uボート」が道路を走った!! ドイツ海軍の潜水艦を博物館へ運ぶ!
鉄道の架線の下をくぐる。潜水艦回転装置が本領を発揮

 U17の輸送計画が始まったのは実に5年も前となる。キューブラーではこの輸送のために専用の人員を割り当てているが、ドライバーのサーム氏も当初から関わっている一人だ。

 輸送には極度の集中力が求められる。重量物輸送は見た目に反して繊細で、細かな努力を要する。水路では全長90メートル、高さ10メートルのはしけで橋の下をくぐらなければならない。クライヒガウ地方の「映える」街並みは狭く、もちろん潜水艦が「走る」ことを想定していない。

 キューブラーのプロジェクトマネージャーのニクラス・グリム氏は次のように話している。

 「こうした輸送はチームで行なわなければ成功しません。世界の重量物輸送に挑戦し続けている弊社の従業員には多くの経験があります。ジンスハイム技術博物館が私たちを信頼し、この複雑なプロジェクトを任せてくれたことを誇りに思います」。

重量350トンの「Uボート」が道路を走った!! ドイツ海軍の潜水艦を博物館へ運ぶ!
ジンスハイム技術博物館へ、Uボートの「凱旋」。数年掛かりの輸送を無事に終えた

 Uボートだけでなく、この輸送自体もまた技術史に残すべきものだ。ジンスハイム・シュパイアー技術博物館は、Uボート輸送に関する特設ページを公開している。
(Das U-BOOT The final transport, 350 tonnes of Technology, People, Stories)

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