「普通のサイズ」で使いやすくなった!! 厚木市で2台目となるEVごみ収集車が動き出す!!

「普通のサイズ」で使いやすくなった!! 厚木市で2台目となるEVごみ収集車が動き出す!!

 神奈川県厚木市が2台目となるEVごみ収集車を導入した。2年前に導入した1号車は「ちょっと大きいサイズ」だったが、今回は「普通のサイズ」になっており、使い方も大きく変わるそう。一体どんなクルマになっているのだろうか?

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部

ベースは新型eキャンターの標準幅キャブモデル

厚木市が導入したEVごみ収集車2号車。ベース車両は三菱ふそう新型eキャンターFE系で、新明和工業の圧縮板式塵芥収集装置「G-PX」の2トンモデルを架装している
厚木市が導入したEVごみ収集車2号車。ベース車両は三菱ふそう新型eキャンターFE系で、新明和工業の圧縮板式塵芥収集装置「G-PX」の2トンモデルを架装している

 神奈川県厚木市が、三菱ふそうトラック・バスと新明和工業が開発したEVごみ収集車を導入。2024年3月9日に、導入先の厚木市環境センターで納車式を行なった。

 今回のEVごみ収集車の導入は、3者が21年5月に締結した「EVごみ収集車に関する連携協定」に基づくもの。厚木市は同協定に基づいて22年3月にもEVごみ収集車を1台導入しており、今回が2台目となる。

 今回厚木市が導入したEVごみ収集車(2号車)は、三菱ふそうが23年3月に発売した新型eキャンターの車両総重量5〜6トンクラス/標準幅キャブ/標準ボディ(ホイールベース2500mm)/Sサイズバッテリー(容量41kWh)搭載モデルがベース。

 三菱ふそうによると、新型eキャンターをベースとするEVごみ収集車の導入は2台目で、自治体への導入は初。また、標準幅キャブベースのEVごみ収集車も初という。

 上モノは新明和工業の圧縮板式塵芥収集装置「G-PX」の2トンクラス架装用モデル(基本的にディーゼル車用と同じもの)で、走行および架装物はシャシー側の駆動用バッテリーで駆動する。動力供給は新型eキャンターに備わるモーター式動力取り出し装置(ePTO)を介して行なわれる。

 航続距離は116km(国土交通省審査値)で、普通充電(6kW/約8時間)と急速充電(50kW/約50分)に対応。厚木市では2号車の導入に合わせて急速充電器も1台導入し、厚木市環境センターに設置している。

収集ルートはディーゼル車と同じ

22年3月に導入されたEVごみ収集車の1号車。ベース車両は三菱ふそう先代eキャンターで、上モノは新明和工業の回転板式塵芥収集装置「G-RX」を架装していた
22年3月に導入されたEVごみ収集車の1号車。ベース車両は三菱ふそう先代eキャンターで、上モノは新明和工業の回転板式塵芥収集装置「G-RX」を架装していた

 2号車は、新型eキャンターで新たに設定された標準幅キャブ/標準ボディ/Sサイズバッテリー搭載モデルをベースとすることで、厚木市が運用しているディーゼルエンジンを搭載するごみ収集車と同等の車両寸法(全長5230mm×全幅1890mm×全高2335mm)を実現しているのが最大の特徴。

 22年3月に導入した1号車は、ベースとなった先代eキャンターにワイドキャブ/ロングボディ(ホイールベース2500mm)/バッテリー容量81kWしか設定がなかったため車両サイズが大きく(全長6510mm×全幅2110mm×全高2295mm)専用の収集ルートで運行していたが、2号車はディーゼル車と同じ収集ルートで運行する。

 収集は1日2回で、午前の収集を終えたらセンターに戻って急速充電を行ない、午後の収集を行なう。収集1回あたりの走行距離は、ルートにもよるが大体70〜80kmという。

 なお、1号車も急速充電に対応するが、これまで急速充電器がなかったため、夜間充電して1日1回の収集で運用していた。今後の運用方法にも注目だ。

 電力は、普通充電が厚木市環境センターのごみ焼却熱を利用して発電した電力、急速充電が東電の電力を使うが、現在建設中(25年12月稼働予定)の新しい中間処理施設の完成後は、すべてごみ焼却熱を利用した電力に統一される予定とのことである。

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