トラックの荷台は専門の「架装メーカー」が製作している。現在開催中のモビリティショーには、そんな架装メーカーの製品も多数登場!! 今回はその中でもかなりユニークな山田車体工業の特殊ウイング車をご紹介しよう。週末見に行く人も行けない人も要チェックですぞ!!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
大型精密機械輸送に特化した特殊ウイング車!!
山田車体工業は静岡県沼津市の架装メーカー。オーダーメイドの平ボディやウイングボディを得意とする。今回ジャパンモビリティショーに出品したのは「フルリフトFLAP(フラップ)」の温度管理仕様である。
「FLAP」は山田車体工業のウイングボディの製品名。「フルリフトFLAP」はFLAPに油圧昇降機構で羽根の部分を700mmリフトさせることができる機構を付け加えたものだ。
山田車体工業はオーダーメイドの平ボディ/ウイングボディを得意とし、今回の車両は大型精密機械輸送を行なうユーザーの依頼でオーダーメイドされたという。通常のFLAPではなくフルリフトFLAPを選択した理由は、背の高い大型精密機械を安全に積み降ろしするためなのだそう。
ベース車両はいすゞギガCYJ系GVW25トン級4軸低床8×4駆動フルエアサスシャシーのフルキャブ/標準ルーフ仕様。内法高を稼ぐため縦根太に横根太を貫通させて床面を下げる処理を実施しており、展示車両の内法高は2670mmを実現する。他社のシャシーなら内法高2730mmも可能とのことだ。
荷台はステンレスを多用した「クリーンルーム仕様」で、床やアオリ内側にはさまざまな形状/大きさの精密機械を固定できるよう多数のフックおよびラッシングレールを搭載する。
今回紹介するフルリフトFLAP温度管理仕様は、荷台搭載の加温装置により荷箱内の温度を一定に保って運ぶことが可能。これにより輸送中に外気温の変化などで装置の内部に結露が発生するのを防ぐのだという。
ウイングドアやアオリのパネルには、加温装置で温めた庫内の温度を逃さないための断熱材を挟み込んだ「サンドイッチパネル」を採用。外板は傷つきにくく軽量な最新のカーボンFRPパネルとした。このカーボンFRPパネル、なんとハンマーで叩いてもほぼ無傷というからスゴい!!
なお、展示車両はリフト能力に定評があるZEPRO製の後部格納式テールゲートリフターを搭載。リフター用のパワーパックはシャシーフレーム後端下部に吊り下げるような形でマウントするが、無加工だとデパーチャアングルが小さくなるので、フレームを少し加工して、取り付け位置を変更している。
ちなみにこの取り付け位置の変更処理は、いすゞグループの車体メーカー「いすゞ車体」がオプションで対応したという。
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