乗って使って新型スカニアを徹底検証!! 現役トラックドライバーによる忖度なしレポート

■収納はさらに容量アップ

 新型スカニアの北欧家具のようなインテリアは「実にお見事!」というほかない。多角形をモチーフにした造形が美術的ですらある。

 欧州車特有の立って歩ける広いキャビンと大容量の収納スペースはさらに進化した。コクピットの上方にある3個の(旅客機の室内のような)大型収納スペースは旧型の「トップライン」譲りだが、新型では後方のベッド上にも収納スペースができ計6個となった。

 また、ベッドの高さを高くすることで、ベッド下の収納スペースも容量アップした。

Rシリーズはエンジントンネル部の段差が残るものの、欧州車は立って歩けるほど広い

 引き出しは2分割となり、1つは収納、1つは冷蔵庫となる。冷蔵庫の温度はプラス10℃からマイナス15℃の冷凍まで設定可能。コーヒーメーカーまでオプション設定され、助手席のダッシュボードからはテーブルが飛び出す。まさに、ヨーロッパの国を跨いでの長距離輸送において、数日間を車内で過ごすのにうってつけの装備である。

 さらに、ベッド下の左右のスペースは車外からアクセスできるツールボックスとなっていて、もはやトランクルームといってもよい大容量だ。

 ベッド幅も旧型より拡幅された。中央の一番広いところで約80cmであるが(国産大型は45cm程度)、さらにベッドの面をロールスクリーンのように拡幅する仕掛けが入っており、100cm近くまで拡幅できる。

 国産大型トラックのキャブ全長は約2mであるが、キャブ長の縛りに余裕があるトラクタでも同一サイズだ。

 いっぽう、スカニアのトラクタでは25cm延長した専用のキャブが用意される。ベッドが広いだけでなく、運転時の着座位置がフロントガラスから遠く圧迫感がないため、長距離走行時に楽である(スカニア単車用の2mセミショートキャブではベッドは跳ね上げ式となり、シートを前に移動させて使う)。

 シートの設計も非常に人間工学に合っており、長距離でも疲れない。座面のみのスライドが可能で、長さを体格に応じて変えられる。ドライバーズシートにはエアサスが入っており、寒冷地のトラックならではのシートヒーターも装備する。

■操作系とスイッチ類

 新型スカニアのステアリングは下が直線的な「D型」に変わったのだが、ステアリングスイッチの配列は、「十字キー」(上下左右ボタン)が4つ並ぶ旧型に似た操作方法を踏襲している。そのため、説明なしでもすぐに乗り込むことができる。

 スカニアのオートクルーズの正確性はピカイチで、設定した速度からプラス/マイナス2km/hとブレない。フワフワせずに安定した走りができる。

 以前乗っていた旧型の450馬力の力強い走りに対して、現在乗っている新型は410馬力なので東名・山北の上り坂で多少速度が垂れるのは仕方ないところか。

 旧型後期モデル以降にはプリクラッシュセーフティとアダプティブクルーズコントロール(ACC)が追加された。ACCは渋滞時に前のクルマに着いていくのには楽だが、まだ人間の運転には敵わない。

 ACCはレーダーで前のクルマだけを見ているのに対して、人間の運転では数台先のクルマの動きや、隣の車線からの車線変更まで予測しているからだ。「まだ使い物にならない」ということはないが、ギクシャク感があるので、ACCはほとんど使わない。

 リターダはスカニア特有の補助ブレーキ装置である。必要に応じて排気ブレーキも併用される。ハンドル右側のコラムがパドルシフトとリターダレバーを兼ねるが、フットブレーキを踏むだけで、リターダ、排気ブレーキも統合して制御されるので、あまりレバーを使う必要はない。

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