「フルロード」編集部の永沼です。今日は東京・九段下のホテルグランドパレスで開催された「環境保全機器展」に行ってきました。日本環境保全協会の定時総会に合わせ、毎年開催されている同展は非常に小規模ではあるものの、塵芥車(ごみ収集車)や清掃車(強力吸引車や高圧洗浄車)の発売前のデモカーが展示されるなどけっこう見応えがあります。というわけで、今回は簡単に出品車両を紹介したいと思います。
●兼松エンジニアリング「モービルジェット」
今年度発売予定の3t車級高圧洗浄車「モービルジェット」は、心臓部のプランジャーポンプの動力取出し方式を従来のトランスミッションPTOからトランスファーPTOに変更。これにより油圧流量で水圧と水量を自在にコントロール可能としたのが大きなポイント。水圧と水量の設定は、新たに採用した液晶モニターから行なう仕組み。またタンクは形状を一部変更し、容積を従来の2.4リューベ、4t車級の2.7リューベより大きな2.8リューベとしている。
今年度発売予定の新型3t車級高圧洗浄車「モービルジェット」のデモカー。
(左)高圧洗浄車の心臓部であるプランジャーポンプを従来のトランスミッションPTOからトランスファPTOに変更し、水圧と水量を自在にコントロールすることで燃費や製品寿命が良くなるという。(右)水圧と水量の設定を行なう液晶モニターはタッチパネル式だが従来のスイッチやレバー類も残されるという。
●モリタエコノス「プレスマスター」「プレスマスターE-SVN」
今年4月にフルモデルチェンジした新型プレス式塵芥車「プレスマスター」の小型ワイドモデル(3.5〜4t車級)は、先に発売された小型モデル(2t車級)同様、表示機器類を頭上一カ所に集約したハイマウントリアパネルを採用し安全性を向上。積み込み装置も強度アップなど改良を行なった。電動塵芥車「プレスマスターE-SVN(いー・せぶん)」は日野デュトロハイブリッドのハイブリッドシステムを使い、塵芥装置の電動化を実現したもの。
今年4月にフルモデルチェンジした新型プレス式塵芥車「プレスマスター」の小型ワイドモデル。真っ白なボディカラーはデモカー用の特別なものだが意外と評判がいいそうだ。
(左)プレスマスターE-SVNはシャシー側のハイブリッドシステムで塵芥装置を駆動。装置駆動時の騒音やCO2排出を低減することが可能となる。サイドバンパーはE-SVNならではだ。
●モリタエコノス「パワフルマスター」
小型強力吸引車「パワフルマスター」をベースに、ユーザーの要望でバキュームカー用タンク&リールを取り付けた特注車。強力吸引車での使用がメインのため固形物吸引時にタンクが削れていくのを防ぐため、通常オールスチール製のタンクを底部のみステンレス化。ホイールベース2750mmの3.5t車級シャシーがベースだが、狭い道路に入っていけるようタンクは短くカットされており、また簡易的な高圧洗浄車としても使えるよう別体式エンジンと洗浄水タンクも備える。
見た目は完全にバキュームカーだが、実は強力吸引車というのがミソの小型強力吸引車「パワフルマスター」。非常に狭いところに入っていくユーザーの要望でタンクの長さは文字通りギリギリまで切り詰められている。
(左)リアフェンダー部からタンクとサブフレームの接合部を覗いたところ。黒色の部分がステンレスで、より削れやすい部分は二重構造にしているという。(右)ホースリールにはバキュームカー用ホースが巻かれていた。強力吸引車として使う場合は専用ホースへの交換が必須だ。
●極東開発工業「プレスパック」
今年5月開催の環境展でデビューした新型2t車級プレス式塵芥車「プレスパック」は、LEDリアコンビネーションランプやサイドカバーの形状など外観デザインは昨年デビューの4t車級と統一されているが、ホッパー傾斜角の変更やプレスプレートの形状変更により従来より高い積込性能を実現したという。
今年5月にフルモデルチェンジを果たした新型2t車級プレス式塵芥車「プレスパック」。4t車級モデルは回転板式「パックマン」と同時フルモデルチェンジだったが、2t車級の回転板式のデビューは秋ごろになるという。
(左)LEDリアコンビネーションランプやサイドカバーなどは4t車級と同一デザインを採用。プレス式と回転板式のデザインにも共通性をもたせているのが特徴だ。(右)ゴミを投げ込むホッパー部の傾斜角を45度から50度に変更し、プレスプレートの形状も変更して積込性能アップを図っている。
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