パンクに対する思いきった割り切りが15トン車を成立させた
ワイドシングルタイヤに対するネガティブな要素は「パンク」が一番手だろう。ダブルタイヤなら1本がパンクしても、もう1本あるから「何とか大丈夫なんじゃないか」という気持ちが働くが、ワイドシングルではそうはいかない……。そのネガに対するタカラ物流の考え方は、まさに発想の転換というべきものだった。タカラ物流システム㈱の常務執行役員で安全品質環境推進室長の丸山利明氏の話である。
「私どもでは、このワイドシングルタイヤ車の前にもダブルタイヤで15トン車をつくっているのですが、そのクルマも15トンの積載量の確保のために、およそ考えられる限りの軽量化を図りました。スペアタイヤを取り外したのもその1つの例なんですが、当然のことながら、ワイドシングルタイヤ車でもスペアタイヤは装備していません。これについては私どもでは安全のコンセプトを根本から変えました。確かに『パンクしたらどうするんだ?』という疑問はあると思いますが、実際のところパンクは、運行中に発見するということはまれで、ほとんどが朝の始業点検の時に見つけているんです。であれば、乗務員にパンクの修理、タイヤ交換をさせるという規定を外し、何かあったらミシュランさんのサービスネットワークを活用させていただく、そう割り切りました。ただ、そうはいっても乗務員は不安でしょうから、走行中のタイヤの空気圧の異常を感知するTPМSも装備しています」。
この割り切りがウイングボディで15トン積載を可能にしたのだ。
ミシュランのワイドシングルタイヤ「X One」を履いた15トン車の前で説明をするタカラ物流の丸山利明常務
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