100年前、ダブルタイヤを考案したのもミシュランだった

100年前、ダブルタイヤを考案したのもミシュランだった

日本ミシュランタイヤのプレスセミナーから その2

ところで、今では一般的になっているトラックのダブルタイヤだが、実は、これを考案したのはミシュランタイヤなんだそうだ。ミシュランの資料によると、今から100年以上前の1908年、「複輪タイヤの考案により初期のトラック開発に貢献。大量輸送を可能にした」とあり、当時の宣伝ポスターが掲げられている。ただ、このポスターでは、(実際に採用された)後輪ではなく前輪がダブルタイヤになっているが、それはご愛嬌というものだろう。

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そのダブルタイヤを考案したミシュランが、今度は「ダブルタイヤからワイドシングルタイヤへ!」の旗振り役となっているのだから、歴史というのは何とも面白いものだ。

日本ミシュランのパブリシティによると、2000年に発売されたワイドシングルタイヤ「X One」は、トレーラ用としてだけでなく、強大なトルクのかかる駆動軸用としても使用されることを前提に設計されたミシュランが誇るプレミアムワイドシングルタイヤシリーズで、ダブルタイヤをシングル化することで、次のような効果を実現することを可能にするという。
①積載効率大幅向上によるトラックユーザーの運行経費削減
「X One」の455/55R22.5サイズは、日本市場で最も一般的な大型トラック用ダブルタイヤのサイズ11R22.5と外径がほぼ同じで、かつ日本の法律上最大値とされる車軸あたり10tの耐荷重能力を持っている。11R22.5 のダブルタイヤ仕様と較べ大幅な軽量化が図られ、積載可能重量を拡大することが可能になる。積載効率の向上は、同重量の輸送に必要なトラック便数の削減につながる。
②環境負荷低減
サイドウォールがダブルタイヤの4枚からワイドシングルタイヤの2枚に減ることにより、回転中のタイヤの発熱によって増加する転がり抵抗を削減すると同時に、軽量化されたタイヤ・ホイールユニットが車輪を回転させる際に生じる慣性力を低減する。この2つの効果により車両の燃料消費量の節約に貢献する。さらに、タイヤを2本から1本に減らすことによって廃棄されるタイヤも減り、環境負荷低減を可能にする。
③車両の安全性向上
左右タイヤ間距離(輪距)を拡大できるため車両の走行安定性が向上し、車両の低重心化も可能となり、安全性向上に貢献することができる。
④車両設計の自由度拡大と生産性向上
ダブルタイヤ仕様と比較しタイヤ・ホイールユニット総幅が縮小されるため、左右タイヤ間距離が増大し、シャシ設計の自由度が拡大する。また、シングル化により部品点数が減り車両の生産性も高められる。

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 ちなみにトレーラ用の385/65R22.5には採用されていないが、455/55R22.5のX Oneには「インフィニコイル」と称する技術が採用されている。これは、カーカスとトレッド部の間にワイヤーをタイヤ回転方向に対して平行に巻き上げ構成したコイル部材で、高速回転時に遠心力によって生じるトレッド中央部のせり上がりを防ぎ、発熱を抑え、転がり抵抗を低減。また、均一した接地圧の確保により、偏摩耗を抑制し、ケーシングの耐久性を向上するという。  (つづく)

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