「eアクトロス」シリーズに新型車の「ローライナー」が登場! 130周年記念でメルセデス・ベンツの記念トラックも!?

「eアクトロス」シリーズに新型車の「ローライナー」が登場! 130周年記念でメルセデス・ベンツの記念トラックも!?

 ダイムラー・トラックはIAAでバッテリーEVトラックの新型車として「eアクトロス・ローライナー」を発表した。従来は不可能だった低床トレーラとの連結を可能にするもので、さらに多くの輸送が電動化可能になる。

 また、トラックの誕生130年を記念して、メルセデス・ベンツ・トラックスから400台限定の記念モデルが発売される。同社の特別仕様車としてディーゼル車とBEVの両方が用意されるのは初めてだという。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Daimler Truck AG

バッテリーEVで低床トレーラによる大量輸送が可能に

「eアクトロス」シリーズに新型車の「ローライナー」が登場! 130周年記念でメルセデス・ベンツの記念トラックも!?
メルセデス・ベンツ・トラックスの「eアクトロス・ローライナー」

 ダイムラー・トラック傘下のメルセデス・ベンツ・トラックスはドイツで開催されたIAAトランスポーテーション2026でバッテリーEV(BEV)トラック「eアクトロス」シリーズの新型車となる「eアクトロス・ローライナー」を発表した。大容量輸送に特化したソリューションとなる。

 CO2を排出しない輸送ソリューションの需要が高まる中、低床トレーラとの連結を可能にする新型車は新たな機会を提供する。

 欧州その他の市場で2026年第3四半期中に受注を開始するといい、生産は2027年第2四半期を予定する。シリーズの他のモデル(eアクトロスの第2世代モデル)と同様、2024年末に量産を開始した「eアクトロス600」と同じ技術コンセプトに基づいている。

 メルセデス・ベンツ・トラックスCEOのアヒム・プッヒャート氏は次のように話している。

「eアクトロス600で実績のあるパワフルな電気駆動技術と、伝統的なローライナーという車両コンセプトを組み合わせることで、排出ゼロで大容量輸送を実現します。お客様のニーズに合わせたBEVトラックのラインナップを拡充し、長距離輸送分野の電動化をさらに推進します」。

 eアクトロス・ローライナーはホイールベース4000mm・キャブ幅2500mmの4×2トラクタで提供する。

 特徴はディーゼル車と同等の第五輪地上高と最低地上高を実現したことで、特にドイツの自動車業界などが求める大量輸送は、荷台内法高3メートルという大容積型のトレーラを必要とし、全高規制(EU市場の一般値として4メートル)を遵守しながらこのトレーラをけん引するには低い第五輪地上高が不可欠。

 ホイールベースにバッテリーを搭載するBEVトラックでは、ディーゼル車より第五輪の架装面が高くなりがちで、一部の車種で容積型トレーラの連結ができなかった。eアクトロスシリーズは、新型車により既存の輸送業務で求められる組み合わせを電動化できるようになる。

eアクトロス・ローライナーとは?

「eアクトロス」シリーズに新型車の「ローライナー」が登場! 130周年記念でメルセデス・ベンツの記念トラックも!?
左がローライナー。並べると地上高の差がわかりやすい

 この低床化はバッテリーパックの搭載方法を見直すことで実現した。eアクトロス600ではフレームの下に横向きに取り付けていたバッテリーを、eアクトロス・ローライナーではフレームに沿って縦向きに取り付ける。これにより車両下のスペースを確保し、第五輪地上高を下げることができた。

 駆動系は他のBEVトラックにも採用され実績のある自社開発の電動アクスルで、バッテリーは長寿命のLFP電池。駆動電力は800ボルトのアーキテクチャとなっている。1基当たり207kWhのバッテリーパックを2基もしくは3基搭載する。すなわち414kWhの「eアクトロス400・ローライナー」と621kWhの「eアクトロス600・ローライナー」で提供され、積載時で最大500kmの航続距離を実現する。

 ローライナーコンセプトでは使用するタイヤと連結するセミトレーラが航続距離にも大きな影響を与える傾向があるといい、容積を重視する構成では総重量には比較的余裕のあるケースが多いため、実際の航続距離はメーカー公称値より伸びる可能性がある。

 バッテリーパックを減らせば、当然ながらその分の積載量が増える。eアクトロス400・ローライナーの積載量は24トン、eアクトロス600・ローライナーの積載量は21トンだ。

 シリーズの他のモデルと同様、CCS方式の充電ソケットを備えているが、将来的にはメガワット充電システム(MCS)にも対応する予定。駆動系はeアクトロス600と同じ電動アクスルで、モーター2基と4段トランスミッションを組み合わせる。キャブは2500mm幅プロキャビンの「ストリーム」「ビッグ」「ギガ」が用意される。

 また、カメラ&モニターによる「ミラーカム」も特徴の一つで、リアビューミラーを代替するこのシステムは、視界不良や暗所、カーブや狭い場所で後方の確認をストレスなく行なうのに役立つ。後退時の広角モード、物体をより正確に把握するための距離マーカー表示、コーナーリング時のカメラのパン、休憩中の周辺監視など、従来のミラーでは不可能な機能も多数搭載される。運転支援システムとも連携しており、モニターを通じた警告表示も行なわれる。

次ページは : 130周年記念トラックはバッテリーとディーゼルの両方

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