実用性とコストは専門家からも高評価
新しいハイブリッドシステムとはいえ、ZFの実績のある生産技術がベースとなっており、中核にあるのは同社の大型商用車向けトランスミッション「トラクソン2」だ。
電気駆動関係の部品を補完した「トラクソン2ハイブリッド」では、電動モーターをクラッチとトランスミッションの間の、いわゆるP2レイアウトで配置する。プラネタリーギアを介して入力軸に動力を伝える仕組みで、これにより電気のみでの走行することも可能になっている。
また、「ブーストモード」ではエンジン出力を補助するために電動モーターを活用し、制動時には回生ブレーキを提供する。電動アーキテクチャは600~800ボルトで動作し、連続出力は190kW(255hp)を発揮、ピーク出力はそれよりも大幅に高い。
柔軟な電動化戦略を可能にするトラクソン2ハイブリッドは、ドイツの出版社が発表する「欧州交通サステナビリティ賞」を受賞した。この賞は専門家、メディア関係者、業界団体の会員などで構成される審査員によって選出されるもので、大型車の脱炭素に対して実用的なソリューションを開発したZFの取り組みが高く評価された。
CVSのドライブラインシステム製品のラインリーダーを務めるヴィンフリート・グリュンドラー氏は受賞に際して次のように話している。
「トラクソン2ハイブリッドトランスミッションは商用車の脱炭素化を目指す運送事業者に競争優位性をもたらします。社内試験では、このハイブリッドシステムにより排出量を大幅に削減しながらコスト削減も実現できることが示されています。
今回の受賞は、ZFが正しい道を歩んでいることを証明しています。大型トラックを運行する事業者は、航続距離や燃料の補給時間など内燃エンジンのメリットを損なうことなく、電動化のメリットを享受しTCOを大幅に削減することがPHEVにより可能となります」。
【画像ギャラリー】大型トラックをPHEV化するZFの「トラクソン2ハイブリッド」と試験車両(3枚)画像ギャラリー



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