スカニアとレッドブル、プラスAIのチームは最新の自動運転技術をアピールするため自動運転トラックを使ったスタントを実施した。2台の自動運転トラックの荷台をマウンテンバイクで飛び越えるというものだ。
ドライバー不足への対応など物流に革命を起こすとされる自動運転トラックだが、新技術により不可能が可能になり、人類の限界にも新たな定義を与えるという。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Scania CV AB
自動運転トラックで人類の限界を再定義!?
AIベースの最新技術を搭載したスカニアの自動運転トラックは、近い将来、世界の物流を大きく変えるかもしれない。この度、同社のトラックは自動運転技術とともに人類の限界を再定義する挑戦を成功裡に完了した。
対向方向に走る2台のスカニア製自動運転トラックを完璧に同期させ、両車が並んだ1秒未満の瞬間に、プロのマウンテンバイカーが両車の荷台を同時に通り抜けるというスタントだ。挑んだのはレッドブルのアスリート、マット・ジョーンズ氏で、もちろんこんなチャレンジに成功するのは世界で初めてとなる。
スカニアとレッドブル、プラスAIのチームは、創造性と卓越した技術力、そして強い意志を結集して不可能なビジョンを現実のものにした。当然ながら綿密に計画された上で実行されたものであり、そのために高度なソフトウェアを開発し、練習セッションを設け、数か月かけて安全性の確認が行なわれたという。
自動運転ソリューションは物流に革命を起こすと見込まれている。この技術はトラックの安全性と運行効率、持続可能性に新たな定義を与える。スカニアにとって持続可能な輸送システムへの移行は使命だといい、自動運転はそのために不可欠な要素だ。
同社で自動運転ソリューションを率いるピーター・ハフマー氏は次のようにコメントしている。
「輸送は私たちの日常生活のすぐ隣にありますが、『物』を適切な方法で人や企業に届ることには大きな責任が伴います。今回のチャレンジは、信頼できる精度と安全性を備えた画期的な自動運転技術により、不可能が可能になる瞬間を垣間見る機会となりました」。
自動運転トラックは鉱山から公道に
スカニアの自動運転ソリューションは効率と安全性の向上、運用コストの低減、環境負荷の最小化、そして今や世界の運送業界で深刻な問題となっているトラックドライバー不足への対処を目指している。
この技術はもはや未来のアイデアではなく、スカニアは既に鉱山用の自動運転トラックを顧客に提供している。間もなく高速道路にも導入され、ハブツーハブ(物流拠点間)の貨物輸送を担う計画だ。
スカニアおよび同社の属するトレイトン・グループはシリコンバレーに拠点を置くプラスAIと提携しており、セーフティ・ドライバー(安全のための保安要員)を乗せた状態となるが、既に欧州の公道を自動運転トラックが走っている。
世界的に展開しているスカニアのトラックに、プラスAIが提供する最先端のAIベースの技術を組み合わせることで、安全で拡張性に優れ、スケーラブルな公道用自動運転ソリューションが実現するという。
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