「アクトロス」も5つ星でダイムラーが雪辱を果たす
欧州では道路交通の3%に過ぎない大型トラックが、死亡事故の15%に関与しているといい、より安全な道路を実現するためユーロNCAPが試験範囲を徐々に拡大している。長距離トラクタとリジッド系だけでなく、今後も様々なセグメントのトラックを試験することにしている。
今回(2025年)は6メーカーの15モデルを評価し、うち10モデルがリジッドだったが、前回、メーカー提供がなく市場調達した車両など長距離トラクタ5モデルについての再評価も実施した。
その結果、ダイムラー・トラック傘下のメルセデス・ベンツ・トラックス「アクトロス」2モデルが5つ星を獲得した。前回の「3つ星」評価から躍進し雪辱を果たしたのはアクトロスの4×2長距離トラクタと6×2リジッドだ。
また、アクトロス派生モデルの「アクトロスF」と「アクトロスL」は4つ星評価だった。長距離ドライバー向けに快適性を重視する「プロキャビン」を搭載するアクトロスLを含め、シリーズの全車が「シティ・セーフ」認定を受け、都市交通での事故防止に効果があると認められた。
なおプロキャビンは評価対象の中でも最大級のキャブとなる。大型キャブは視認性などのスコアは低くなるいっぽう、長距離ドライバーの疲労を軽減するなど、評価スコープに含まない間接的な安全性に寄与していることには注意する必要がある。
ダイムラー・トラックUKでマネージング・ディレクターを務めるハイコ・セルザム氏は次のようにコメントしている。
「私たちの目標はシンプルで、全ての人にもっと安全な道路を提供することです。ユーロNCAPによる5つ星評価は、メルセデス・ベンツ・トラックスが今日最も安全なトラックを提供していることを証明しています。
また、『シティ・セーフ』認定は、都市環境における全ての道路利用者の保護に私たちが継続的に取り組んでいることを示しています。ユーロNCAPによる安全性評価は包括的なもので、衝突試験によるドライバー保護だけでなく、事故を未然に防ぐことを重視しています。これはドライバーと運行管理者にとっても素晴らしいことです」。
ちなみにユーロNCAPによるほかのメーカーの評価だが、DAF「XF」リジッドは3つ星とシティ・セーフ認定で、前回のトラクタ系と同じ評価だが、安全装備のほぼ全てを標準搭載していることは特筆に値するという(評価はオプションの安全装備を全て備えた状態で行なう)。
ルノー「T」はリジッド系とともにトラクタ系の再評価も行なわれ、いずれも星の数は4つで前回と変わらないが、新たにシティ・セーフ認定を獲得した。
スカニア「R」シリーズもリジッド系とトラクタ系の評価が行なわれ、4つ星となった。シティ・セーフには認定されなかったが、前回は3つ星だったので安全性を向上したという評価だ。「G」シリーズについては前回同様、リジッド系でも4つ星&シティ・セーフ認定となった。
MANは今回も車両提供を辞退したため市場から調達した。3つ星評価でシティ・セーフには認定されなかった。また、前回は1つ星という結果だったイヴェコ車は今回の評価対象には含まれていない。
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