中国・BYDの日本法人、BYDジャパンが事業方針発表会で日本のEVトラック市場への新規参入を発表した。2015年にEVバスで国内の商用車事業に参入したBYDは、今や日本のEVバスで8割近い販売シェアを占める。
バッテリーEVの販売台数で世界最大手級にまで躍進したBYDのEVトラックが、日本の商用車業界の新たな黒船になるかもしれない。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/BYD
BYDが日本のEVトラック市場に新規参入
自動車用バッテリーで世界2位、バッテリーEV(BEV)の販売台数でも世界最大手に近づいている中国のBYDが、日本のEVトラック市場への新規参入を正式に発表した。
BYDは2024年に世界で約176万台のBEVを販売している。トップのテスラは179万台で、2025年にも首位が入れ替わる情勢だ。
そのBYDの日本法人・ビーワイディージャパン(以下、BYDジャパン)は2025年1月24日、「BYD事業方針発表会2025」を開催し、日本市場にプラグインハイブリッド乗用車を投入すること、日本専用に設計した「J7」中型路線バスを発売すること、そしてEVトラックを日本市場に投入することが明らかにされた。
乗用車と商用車、BEVとハイブリッドの全方位から日本国内での展開を加速する。
BYDジャパンは商用車事業として2015年に日本のEVバス市場に初めて参入した。以来、EVバスの販売を通じて、日本の公共交通とカーボンニュートラル社会の発展に貢献してきた。
現在、国内のEVバス市場での販売シェアは7割を超えているそうで、特に商用車においてBYDブランドには実績がある。
新型の「J7」中型バスは、車幅2.3メートルという日本の中型バスに最適化した専用設計で、現行の「K8」大型バスと、同じく日本向けに最適化した「J6」小型バスにとともに、日本市場におけるEV路線バスのフルラインナップが完成した。
EVバスで日本の商用車市場に参入して10年という節目を迎えて、BYDジャパンはEVトラックの導入を正式に決定した。EVトラックの日本国内でのビジネス展開は「2026年以降」としており、2025年中に具体的な計画を発表する予定。
日本のトラック市場は「小型」「中型」「大型」という3つのセグメントに分けられるが、もちろんこれは日本独自の区分。BYDがどのセグメントへの参入を目指しているのかも現状では不明だ。
参考までにBYDは海外市場では車両総重量(GVW)3.5トン級の「T4」から同31トン級の「T31」、連結総重量(GCW)37.5トン級の「Q3」大型トラクタまで純電動トラックのフルラインナップを展開している。
なお、自販連(日本自動車販売協会連合会)の「新車車種別登録台数」によると、2024年のバスの登録台数10,097台に対してトラック(普通貨物車)は146,706台で、市場規模は圧倒的にトラックのほうが大きい。
BEV世界最大手級のBYDによる日本のトラック市場参入は、商用車市場における新たな「黒船襲来」になるかもしれない。
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