日本初「中身がみえるEVごみ収集車」誕生! 新型スケルトンパッカー車に秘められたスゴい装備

みえる号の専用装備とeキャンターの特装機能

積込装置からごみが送り込まれる荷箱内部も、サイド左右を大きくカットしているので丸見え。荷箱内は鮮やかなブルー(通常は黒)に塗装され、ごみを降ろすための排出板(これも油圧で動く)には、港区の環境キャラ・エコルが描かれている
積込装置からごみが送り込まれる荷箱内部も、サイド左右を大きくカットしているので丸見え。荷箱内は鮮やかなブルー(通常は黒)に塗装され、ごみを降ろすための排出板(これも油圧で動く)には、港区の環境キャラ・エコルが描かれている

 3代目みえる号は、三菱ふそうの小型BEVトラック「eキャンター」の標準キャブ・ホイールベース2500mm・Sサイズバッテリー(高電圧バッテリー容量41kWh)仕様のシャシーをベースに、大手特装車メーカー・極東開発工業の塵芥収集ボディ「プレスパック」を架装したもので、塵芥車の艤装・仕様としては、東京23区内ごみ収集事業で用いられている圧縮板タイプの塵芥車に近いという。

 また、ボディの側面とリアの上部に、広報用のLED表示器とスピーカーが組み込まれていることや、積込装置と庫内に特別な塗装を施し、圧縮板と排出版にそれぞれ港区のキャラクターを描いたこと、内部照明の設置などが、みえる号特有の装備である。

 なお、荷箱容積は4.3立方メートルで、極東開発が通常のディーゼル車向けに供給している圧縮式塵芥収集ボディおよび油圧機器とほぼ同一ではあるが、電動トラックシャシーに対応したタイプには「eパッカー」という名称が与えられている。

 そして、みえる号を含めて特装車にとって重要な装備を、eキャンターは備えている。それは、キャビン床下に「ePTO」(電動式動力取り出し装置)を装備できることで、塵芥収集ボディを作動させる油圧を得るためのポンプを、このePTOによって回すことが可能になっている。

 通常のディーゼル車ではエンジンのパワーでPTOを回して油圧ポンプを駆動するのだが、ePTOは高電圧バッテリーの電力で専用モーターを回して油圧ポンプを駆動する仕組みである。eキャンターはこのePTOの実用化でも世界的に先行しているうえ、ePTOが荷台やシャシーサイドのスペースを侵食しないよう設計されているなど、その優れた架装性は、知る人ぞ知るeキャンターの特徴だ(ePTOはメーカーオプションとして設定)。

次ページは : EVならではの用途や実証も検討

最新号

【解説&試乗】日野プロフィア2024年モデル フルロードvol.55 本日(12/10)発売!!

【解説&試乗】日野プロフィア2024年モデル フルロードvol.55 本日(12/10)発売!!

今号では、昨年2月中旬から出荷を再開した日野プロフィアの2024年モデルに試乗。燃費性能と安全性能もアップし、新設計AMTで走りも別モノに進化した新モデルの実力に迫ります。また、「だれでもトラック」いすゞエルフミオEVの公道試乗を実施。AT限定普通免許で運転できるEVトラックの魅力をお伝えします。大好評の「働くクルマの大図鑑」は、飲み物を運ぶその究極のカタチ「ボトルカー」を特集しました。ボトルカーの構造から製造工場のレポート、知られざる歴史、さらにはeキャンターのボトルカーの試乗レポートまで盛りだくさんの内容になっています。