狙いはトランスミッション生産の合理化か
トラックユーザーではいまもマニュアル車に根強い支持があるが、運転労力の軽減、自動運転を含むADAS(先進ドライバー支援システム)や燃費効率向上のための高度なパワートレーン統合制御では、トランスミッションの自動化が不可欠で、マニュアル車の設定は徐々に減少しつつある。
いっぽう、大型トラック用7速MTは内需がメイン(海外向けM/T車はトランスミッション専業メーカーからも調達している)で生産量も限られていく方向にあることから、いすゞとUDの7速M/T車を共通化、それぞれが個別に開発してきたユニット生産も将来的には集約して、グループ資源の効率化を図るものと考えられる。
前述のように、UDオリジナルのクオン7速M/T車は一部車型では存続するが、いずれもマイナー車型であり、少なくとも生産規模は縮小する。ちなみに、このほかのクオンのマニュアルトランスミッションとしては、高トルク車用の12速M/T、総輪駆動車用の副変速機付6速M/Tがある。
なお、いすゞとUDは現在、次世代大型トラックの開発を共同で進めており、2028年度に投入する予定だ。この次世代モデルでは、いすゞと提携関係にあるボルボ・グループの技術を活用したプラットフォームを用いることになっている。
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