ドライバーに新たな視点をもたらす!! スカニアの新型ダッシュボードでトラックの運転がよりスマートに！

操作性に配慮

　大型トラックのドライバーのために、スカニアは最新のヒューマン・マシン・インターフェースをスマート・ダッシュに実装した。

　ドライバーはどのような情報を表示するか（あるいは表示しないか）を選択できる。セットアップの全体が直感的でユーザーフレンドリーになっているのは、ダッシュボードの操作がドライバーに過度の負荷を与えないように親切な設計となっているためだ。

　スマート・ダッシュには常に2つのディスプレイがある。一つはドライバーの直前にある「ドライバー・ディスプレイ」で、もう一つはタッチスクリーン式の「中央インフォメーション・ディスプレイ」（サイズは10.1インチと12.9インチがある）だ。

　ドライバーは、タッチスクリーン、ステアリングのスイッチ、または音声で入力を行なうことができる。物理ボタンとデジタルコントロールのミックスはスカニアとしても苦心したところで、よく使う重要な機能がアクセスしにくい所に隠れてしまうという間違いを回避するため、両者をバランス良く組み合わせる方式に落ち着いた。

　スカニアトラックスでプロダクト・マネージャーを務めるエデュアルド・ランデオ氏は、次のように話している。

　「最も頻繁に使用する機能は、当然ながらアクセスしやすくなければなりません。これは最高の体験を提供するためであり、新しい技術はドライバーを苛つかせたり悩ませたりするためではなく、常に彼らをサポートするためにあるのです。

　そうでなければ、ドライバーの集中力が道路や直接視界から外れ、例えば車内の温度調整などの基本的な事に意識をとらわれるという最悪の状況に陥ることさえありえます」。

安全機能による終わりのないサポート

　欧州では大型車に関する「EU一般安全規則（GSR）」が2024年7月から段階的に強化される予定だ（例えばISA＝標識認識機能付き速度制限装置や、TPMS＝タイヤ空気圧モニタリングシステムなどが義務化される）。

　スカニアの最新世代のトラックは、欧州市場で必要な安全機能を標準で提供しており、オプションの機能と併せて法規が求める最小要件を大幅に越えている。たとえば、交通弱者（VRU＝歩行者・自転車など）に対応した高度緊急ブレーキ（AEB）は、トラック前方の歩行者を警告するだけでなく、必要に応じて実際にブレーキをかける。

　「こうした技術により、デジタル＆コネクテッドの影響範囲は運送会社や運行管理者にも及んでいます。スマートで安全なトラックは生産性を向上し、事故を減らし、ドライバーに安心をもたらします。

　トラックはドライバーにとっては仕事の道具です。スカニアのトラックを運転するドライバーは、車両情報の表示から、潜在的な危険の回避、一般的な案内、お気に入りの音楽の非常にクリアなサウンドまで、あらゆるものが彼らをサポートしていることを実感するでしょう」。
（ランデオ氏）

　車両の安全機能によるサポートは、ドライバーが深刻な事故を回避するための最良のツールとなる。

　「ドライバーがどれだけ経験豊富で、どれだけ注意して運転していても、道路で過ごす時間が長くなれば、いつか必ずこうしたシステムに感謝する時が来るでしょう」。（同氏）

スマートダッシュに含まれるもの

　コネクテッドとアクティブ・セーフティに関する顧客からの期待は高い。スマート・ダッシュはこうしたトレンドに合致するとともに、ユーザーフレンドリーでモジュラー式のインターフェースを提供するため、無線でのアップデートに対応する。

　レーダーやカメラなどを含むセンサープラットフォームが刷新され、当然ながらEUの新しい安全規則にも適合する。テレマティクス用の通信ユニットとして4Gに加えて「5G」レディのモデムを搭載し、ソフトウェアアップデートにより車両の自動運転化も可能とした。

　「マイ・スカニア」や「スカニア・ドライバー」などのアプリ、車両データによるテレマティクスなどカスタマイズ可能なサービス、リモート診断、予防整備、無線によるソフトウェアアップデート、サイバーセキュリティのための定期セキュリティアップデート、先進運転支援システム（ADAS）、標識認識機能付きのクルーズコントロールといったナビゲーションなどもスマート・ダッシュに含まれる。

　こうした膨大な情報を処理し、車両の機能とサイバーセキュリティを確保するために、高性能の車載コンピューターを搭載した。

　スマート・ダッシュの運転体験に関するものとしては、最新の音声コントロールとADAS（先進運転支援システム）のサポート、インフォテインメント、アップル・カー・プレイ＆アンドロイド・オートへの対応、スカニア純正のナビアプリ、ハンズフリー通話の改善、架装メーカー向けの柔軟性確保などを行なった。

　安全性に関する先進システムとしては、アルコールロックなどは従来通りだが、車両側面のVRU衝突警報、ドライバーの注意力サポート、TPMSなどはアップデートを行なった。いっぽう、車両前方および後方のVRU衝突警報やISAは新たに搭載したものだ。

　また、欧州で急速な普及が見込まれているEVトラック向けに、航続距離サポート、充電モニター、出発時刻のスケジュールなどの機能を用意した。

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