カメラシステムの改善
いっぽう、カメラ本体やシステムにも重要な改善を施している。例えばミラーカムの下部に追加した「ドリップエッジ」(水切り構造)もその一つだ。これは雨水などがレンズの上を流れて、表示画像に望ましくない視覚効果が起きるのを防ぐためのもの。
また、システムではトーンマッピングの最適化を行なった(トーンマッピングとは広範囲の(=コントラストが高い)トーンを適切に表示するための画像処理のこと)。これにより、表示する映像のコントラストが改善した。
表示に関しては色および輝度の順応に関しても改善を行なった。ディスプレイ自体は非常に明るいのだが、例えば暗い場所や照明の少ない屋内施設に入った時など、運転状況に応じて適切な表示を行なうようになった。
安全性とドライバーの利便性にコミットする
こうした改善点により、ミラーカム全体の付加価値がさらに高まった。改良されたシステムは、追い越しや細かな操作が必要な時、視界不良や暗所での運転、コーナーリング、隘路など、様々なシチュエーションでサポート効果を発揮する。
併せてドライバーのストレスを軽減する効果もある。
当然ながら従来の利点も継承している。例えば後退操作時の広角モード、運転中の車両後方の物体との距離表示、コーナーリング時のカメラ画像のパンニング(旋回)、休憩中の車両周囲のモニターなどだ。
また、メルセデス・ベンツ・トラックのコーナーリング・アシスタントとミラーカムとの連動も有用であることが証明されており、特に複雑な交通状況や紛らわしい交差点で効果を発揮する。
とはいえ、トラックの右折時などに事故のリスクは常にある。
(ドイツにおける「右折事故」は、右ハンドルの日本の「左折事故」に相当し、運転席の逆サイドの巻き込み事故などが発生しやすい)
もし、ドライバーが歩行者や自転車を見落としてしまったら、システムは権限の範囲内で介入を試みる。ドライバーに対して複数ステージの警告を発するほか、オプションのアクティブ・サイドガード・アシストを搭載する場合、最大20km/hまで自動ブレーキを作動する。
なお、コーナーリング・アシスタントはワーニングのために引き続きミラーカムのディスプレイを使用する。
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