■重量物を積む後室は頑丈に補強 同時に軽量化を図って積載量増加も実現
いっぽう、後室は中・大型ボンベを積み込むメインの積載スペースで、内寸は長さ2595×幅1920×高さ1590mm。内部にはボンベ固縛用フック付きの鉄枠が鉄製の床に直接溶接付けされているほか、緊急の夜間配送時に重宝するLED作業灯などが備わる。
床はアピトン材だが、その上に鉄板を貼って補強。鉄板の厚みは比較的積み荷が軽い前室が3.2mmなのに対し、重量級の積み荷が多い後室は9.0mmと極厚。補強と同時に軽量化も図っており、最大積載量は目標の3000kgを上回る3350kgを確保する。
後室ルーフ部は樹脂製サンドイッチパネル製として軽量化を図ると同時に、油圧ダンパーで後ろ側を跳ね上げる機構を搭載。強風時など、勝手に閉まることがないようにストッパー機構も備わる。
このユニークな機構は、充填工場(積み場)のプラットフォームに合わせて高床シャシーを選択しつつ、病院の地下のボンベ貯蔵庫(降ろし場)に安全に出入りできるよう車両全高を低く抑え、なおかつドライバーが荷室内で頭をぶつけたり、腰を痛めたりすることがないようにするためのもの。
後室の荷室内高は通常時1590mmなので大人だと頭をぶつける危険があるが、同機構を活用すれば入り口の高さは最大2000mmほどに。これなら頭をぶつける心配はないし、かがんで作業する必要もないので腰を痛めることもなさそうだ。
バックドアは付いておらず、幌をかぶせた上からテールゲートを折りたたんでカバーとする構造。テールゲートは新明和工業製「すいちょくゲート」の許容荷重800kgタイプを搭載する。なお、車両寸法は全長5310×全幅2100×全高2630mm。