栃木県宇都宮市台新田町にある柳沼ボデー工場。この裏手には航空機を製造しているSUBARU宇都宮製作所南工場がある
今年2月に50歳の節目を迎えた柳沼文秀社長。根っからのメカ好きで、多趣味である
柳沼ボデーの家畜運搬車はオーダーメイドの一品物だが、基本的に床や門柱などはステンレス、根太はアルミ、屋根は冷凍車と同じ断熱パネルを使用している。サイドのアオリとルーフの間は、通風を考えてカーテンになっている
車両のリアは、1枚もののワイヤー自動開閉式リアゲートになっている。もちろんステンレス製だ
リアゲートを下ろすと、牛が乗降するスロープに……。角度や歩み板、左右の柵など牛が乗降しやすい工夫がなされている
ホイールベース間の工具箱。畜産業者に丹念に話を聞き、細部までつくり込みが行なわれている
リアの工具箱。荷台下には多様な工具箱が設けられている
現在製作中の家畜運搬車のベースは、まっさらな新型フォワードだった。家畜運搬車は、現在は月産1台程度だが、これを月産2台程度に増やし、日本の家畜運搬車の半数程度のシェアを獲得したいという
縦根太および横根太は6mm角のアルミ製で軽量化を図る。リアサスペンションは牛にやさしいエアサスだ
門柱や床枠はステンレス製。ちなみにボディのサイドには「尿返し」称するレールが設けられ、垂れ流しに配慮している
家畜運搬車用に新たに導入したハイパーレーザー溶接機
狭い範囲に高いエネルギーを集めることができるハイパーレーザー溶接機は歪みが少なく仕上がりは美しい
柳沼ボデーは2023年10月に幕張メッセで開催された「第12回国際畜産資材EXPO」に出展。来場者の注目を集めた
全国大型自動車整備工場経営協議会が数年ごとに改訂している各メーカーの小型・中型・大型貨物自動車「事故車損害算定参考資料」。柳沼社長はこの編集委員長を務めている
事故車の修理など柳沼ボデーの工場には多くの業務用車両が入庫。シャシーからボディまで何でもござれといった間口の広さだ
ウイングボディのセンタービームが折れてしまったので修理している低床4軸車。ちなみに柳沼ボデーの従業員は10名。今のところ修理も架装も専任を置かず、どちらもオールマイティにこなすという
こちらは中古のトラックに、宣伝用の電飾ボディを架装しているところ。LEDライトの配線まで行なっている。実は、柳沼ボデーは架装に関しても何でもござれなのだ
柳沼ボデーのキャッチフレーズは「大型・特殊車両の専門医(プロ)」。当然バスの事故車も入庫し、「専門医」に形成外科手術を受けることに……
柳沼ボデーの三代目となる柳沼文秀代表取締役
工場の一角には地元の大谷石を使った炭小屋が……。柳沼社長が仕事の合間に手づくりしているそうだ
地元の縁でレストアしたというスバル360。非常にきれい仕上げられており、新車と見間違うほど(?)