EXの「ワイド拡幅キャブ」。ドアとリアピラーのブリスターフェンダー形状は、自工会の自主規制(キャブ・荷台間の段差を片側50mm以内・形状により片側100mm以内)への対応である
EXの「ワイド拡幅キャブ」。サイドウインドゥから斜め下方への視界を妨げないよう、ブリスターの形状を配慮していることがよくわかる
eキャンターEX。型式はFED9K型。ホイールベース4750mmの超超ロングボディ・Lバッテリー(高電圧バッテリー×3個)というシャシーのみを設定する。荷台長は中型カーゴの定番サイズ・6.2mクラスで、このモデルの狙いがうかがえる
質感の高いインテリアをもつeキャンターEX。電動油圧式パワステは、小径ハンドルとあいまってやや重め。回生ブレーキのモード選択は、Dレンジに入れたシフトセレクターを前後に操作する
三菱ふそう喜連川研究所の試験路のひとつ勾配12%の坂道をくだる。回生ブレーキ「B3」モードでは、4トン車と比べても十分に強力な制動性能を発揮する
eキャンターEX。中型トラックと同等サイズのウイングボディは、メーカー完成車としては設定しないものの、系列車体メーカーのパブコで「D-WING」相当の完成車を設定する
eキャンターEX。試乗したウイング車は床下格納式テールゲートリフタも架装しているため最大積載量1.8トンだったが、リフタ(架装重量360kg±20kg程度)がない場合は、2トン超を確保できる計算になる
eキャンターEX。カタログ記載の平ボディ諸元は荷台内法長6.2m×内法幅2.12m。試乗車の庫内寸法は不明だが、ディーゼルの初代キャンターEXが架装例として記載していたD-WINGの場合、荷台内法長6.23m×内法幅2.21m×内法高2.315mだった
ウイングボディのウイングとアオリを開放したeキャンターEX
運転席からみた右サイドミラーの視界。見た目ほどブリスター形状は気にならない。ミラーステーは、ワイドキャブGVW8トン車型FEC90型よりも長い専用品を装着している
運転席からみた左サイドミラーの視界。こちらもブリスター形状が運転操作や視界を阻害しないことがわかる
10インチ全面カラーLCDタイプのメーターパネル。表示部下端にバー型グラフィクスのパワーメーターを設置している。写真はテストコース内で撮影したB3モードで減速中の様子で、パワーメーターのオレンジバーが回生の状態を表している
三菱ふそう喜連川研究所にある勾配10%の登り坂で一旦停止・再発進を試す。転がりだしで最大トルクを発生する電気モーター駆動ならではの力強さとスムーズさは、GVW8トンでも見事なパフォーマンスを示し、微速走行からダッシュ加速まで難なくこなす
「eキャンター」のGVW8トン車型・FEC9K型。ホイールベース4750mmの超超ロングボディ・LバッテリーはEXと同じだが、もちろん通常のワイドキャブで、荷箱も小型トラック専用となる。カタログ諸元の平ボディは荷台内法長6.0m×内法幅2.08mとなる
新型eキャンターのバリエーションの一部。手前からeキャンターEX、eキャンターGVW6トン標準キャブ・ロングボディ・Mバッテリー・2.4トン積ドライバン、同GVW7.5トンワイドキャブ・ロングボディ・Mバッテリー・2.6トン積冷凍バン、同GVW6トン標準キャブ・標準ボディ・Sバッテリー・3トン積ドライバン、同GVW6トン標準キャブ・ショートボディ・Sバッテリー・3トン積ダンプ
試乗車のeキャンター標準キャブ・標準ボディ・3トン積ドライバン、同標準キャブ・ロングボディ・2.4トン積ドライバン、eキャンターEX。GVW6トン車のモーターは最高出力150PSだが、基本的にEXと同じである。こちらは半積だったので車両総重量は5トン以下であり、もはや小型トラックの常識を超える走りだった
8代目キャンターをベースとして、2014年11月に初登場した初代キャンターEX(もちろんディーゼル車)。現行9代目キャンターにも引き続き設定されている
キャンターEXは、UDトラックスでも「カゼットRK」の名称で2015年1月から発売されている。実はキャンターEX/カゼットRKは、ふそうからキャンターのUDブランド車「カゼット」のOEM供給を受けているUDトラックスが、その商品企画をふそうに持ち込んで生まれたという共同開発モデル(UDも開発費を負担)で、生い立ちもまたユニークだった