トラック電動化の新たな選択肢! いすゞのバッテリー交換ステーション「ECC」はBEVのデメリットを覆せるか!?

トラック電動化の新たな選択肢! いすゞのバッテリー交換ステーション「ECC」はBEVのデメリットを覆せるか!?

通常のエルフEVとは違う仕様のバッテリー交換式EV

エルフ・交換式バッテリーEV。写真はGVW5トン・最大積載量2トンのNJR標準キャブ・標準ボディ・フルフラットローのバッテリーパック2基搭載モデル
エルフ・交換式バッテリーEV。写真はGVW5トン・最大積載量2トンのNJR標準キャブ・標準ボディ・フルフラットローのバッテリーパック2基搭載モデル

 エルフ・バッテリー交換式EVは、現行のエルフEVをベースとし、同じ高電圧バッテリー(1基あたり容量20kWhのリチウムイオン電池)を用いながら、かなり異なるクルマとなっている。

 ひとつは、いうまでもなく高電圧バッテリーパックが脱着可能になっていることだが、そのためにパック搭載位置はシャシーフレームの側面左右のみとなっている。通常のエルフEVには、センターバッテリー(シャシーフレームの左右サイドレール間に搭載する高電圧バッテリーパック)があるが、むろん交換困難となるため、「交換式」では搭載しない。

 ただし、バッテリーパック搭載数バリエーションとして2基または4基の設定が可能で、取材時には車両総重量5トン・最大積載量2トンのNJR標準キャブ・標準ボディ(軸距2500mm)の2基搭載車と、車両総重量7.5トン・最大積載量2.95トンのNPRワイドキャブ・ロングボディ(軸距3395mm)の4基搭載車のそれぞれ平ボディ実車がそれぞれ用意されていた。このあたりは多様な小型トラックニーズを知り尽くしているメーカーらしいところである。

 もうひとつは、バッテリー脱着のための特別な艤装を備えていることで、高電圧バッテリーパックをマウントするブラケットが、交換時には側方へ向けて伸ばせる(交換装置で引き出せる)ようになっている。この構造も迅速な交換作業を可能とする設計だ。

 また、シャシーと高電圧バッテリーパックを接続するコネクタや固定装置などの着脱操作は、交換装置とシャシーがBluetoothで情報を交換しながら行なってもいる。なお、バッテリー交換式EVのコネクタやロック装置に関する国内および国際規格は現時点で存在しないため、その設計はいすゞが独自に開発した規格およびメカニズムが用いられている。

 ちなみに、構内用のエルフ・バッテリー交換式EVにはサイドバンパーが着いていないが、前述のブラケットにサイドバンパーを装着することが決まっているとのことで、公道での実証実験デビューもそれほど遠い先の話ではなさそうだ。

エルフ・交換式バッテリーEV。写真はGVW7.5トン・最大積載量2.95トンのNPRワイドキャブ・ロングボディ・高床のバッテリーパック4基搭載モデル
エルフ・交換式バッテリーEV。写真はGVW7.5トン・最大積載量2.95トンのNPRワイドキャブ・ロングボディ・高床のバッテリーパック4基搭載モデル
【画像ギャラリー】これはすごいぞ! いすゞが公開したバッテリー交換ステーション「ECC」実証施設(14枚)画像ギャラリー

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